日本でも硬水地域がある
夏休みも間近に控え、旅行を計画している人も少なくないだろう。そこで、アトピー性皮膚炎を患っている、うまくコントロールできている人は、先の研究報告も踏まえて旅先の水に気をつけたほうがいい。報告にもあるように、水が変わることで症状を悪化させることがあるからだ。
水には主にカルシウムイオンとマグネシウムイオンが含まれており、水1000ml中に溶けているカルシウムとマグネシウムの量を表わした数値を「硬度」という。
WHO(世界保健機関)の基準では、硬度が120mg/l以下を「軟水」、120mg/l以上を「硬水」とされる。一般的に硬度が0~100mg/lは軟水、101~300mg/lは中硬水、301mg/l以上が硬水とされる。
日本の水のほとんどが軟水で、ヨーロッパや北米には硬水が多い。これは大地を形成する地殻が異なるのに加え、日本は国土が狭く地層に浸透する時間が短いことが要因のひとつとされている。ちなみに、東京の水道水の硬度は60mg/l前後で軟水。おなじみの『エビアン』は、硬度300以上の硬水となる。
ところが、日本でも沖縄や鹿児島には硬水の地域がある。これらの地域で入浴したときに、石鹸やシャンプーが泡立ちにくい、髪や肌の仕上がりが違うなどと感じたことはないだろうか。
軟水に慣れていた肌が急に硬水に触れると、アトピーを悪化させる可能性がある。滞在期間が長引くようなら、硬水を軟水に変えるシャワーヘッドやグッズを準備するのも手だ。
アトピーにかぎらず皮膚が敏感な人やトラブル肌の人は、旅のプランのなかに「硬水対策」を加えることで、より快適な旅行となるだろう。
(文=編集部)