病気や老化予防のスペシャリストが太鼓判
2014年、米国疾病予防管理センターは、病気予防のためには1週間で最低150時間の運動を推奨すると発表。イヌの散歩を1日20〜30分すればクリアできる時間だ。しかもイヌの散歩は、歩行のスピードや距離、そして毎日の定期的な運動であることが評価されている。
米国高齢化研究連合会の代表であり、米ワシントン大学の「ご長寿犬組合」の理事でもあるダニエル・プロミスロー氏は、次のように述べる。
「イヌでもネコでも、一緒に暮らせば孤独感が薄れ、ストレスレベルやコレステロール、血圧が下がることは広く知られている。しかもイヌには、散歩というオプションがある。その恩恵として病気に罹りにくいだけでなく、病気の回復にも良い影響がある」
「毎日の散歩は、精神的にもプラスに働き、心理テストの結果も比較的良い。ただし、他のペットではどうなのか、どんな人が対象かという研究はもっと必要だろう」
また、米フロリダ州薬科大学の老年医学のアリス・ポミドア教授もこのように話す。
「多くの高齢者にとって、ペットは“社会との接点”となる。家族や友人、そして最愛のパートナーが亡くなった後でも、大切な心の拠り所になる。そのため、ホスピスや長期入所施設などでは、皆さんに安心感や喜びを得てもらうため、あえてペットを飼うところもあるほど」
こうしたイヌからの恩恵は、科学的な根拠はさておき、愛犬家ならうなずけることばかりだろう。
中高年は「自分が先に死んだら……」と最期の看取りを気にしてイヌの飼育に消極的な傾向があるが、イヌと一緒だからこそ「長く健やかな人生を送る」ことが可能になるのではないだろうか。
(文=編集部)