ALS患者の人工呼吸器装着の是非〜映画『君がくれたグッドライフ』に見る安楽死・尊厳死の選択

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安楽死・尊厳死の法案化は「生きる権利」を脅かす?

 病気の辛さから逃れるため、尊厳を守るために、安楽死や尊厳死を望む患者がいる。彼らが「死の権利」の法制化を求めることは当然のことだろう。

 反対に、生きる意思はあるのに、家族への負担を思うとなかなか言い出せず、呼吸器を付けずに亡くなる人もいるという。もし法制化が実現したとしても、患者が「生きる権利」を選択しづらくなるような状況があってはならない。

 ALSは、視覚、聴覚、意識、知能などが維持される病気であり、人工呼吸器装着後でも、ブログなどで生きているという実感や呼吸器への感謝を報告する人は少なくないのだ。

 この映画の主人公は、安楽死を選ぶことで、自分の希望する最期を迎えた。それでは、生き続けたいと望む患者は、どうしたら後ろめたさを感じずに生を選択できるのか?

 今の日本において、そうした患者や家族に少しでも「グッドライフ」をもたらすのは、やはり公的支援と人工呼吸器装着者受け入れ施設の充実に尽きるのだろう。

『君がくれたグッドライフ』
 2014年/ドイツ/95分/カラー/PG-12
 監督:クリスティアン・チューベルト
 出演:フロリアン・ダーヴィト・フィッツ、ユリア・コーシッツほか
 ©2014 Majestic Filmproduktion GmbH / ZDF
 公式サイト:goodlife-movie.com
 5月21日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほかでロードショー

(文=編集部)

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