中年期はアクティブな通勤スタイルを!
「一般的に多くの人々が職場までの地の利上、徒歩や自転車のみの通勤は難儀だろう。だが、今回の研究結果は、公共交通機関の利用に伴う偶発的な諸々の運動(量)にも重要な効果があることを示していると思います」と、Ellen氏。
なお、今回の研究の目的は、学歴や所得の相違、飲酒や喫煙の有無、日常の全体的な身体活動と健康状態の関連、自宅が都市部か郊外かの環境面などの因果関係を読み解くものではない。
だが、Ellen氏は次のように強調する。
「とりわけ、肥満に悩む人が増える中年期においては、クルマよりも公共交通機関の利用や、よりアクティブな通勤スタイルを推奨すべき。それが肥満蔓延に対する包括的政策の要にあると私たちは考えている」
彼らの報告に付随論説を寄せたノルウェーのLars Bo Andersen氏(ソング・オ・フィヨラーネ大学)もこう述べている。
「多くの働く人々にとって通勤は毎日欠かせない活動だ。その際の(クルマ通勤以外の)通勤方法は身体活動量を増加し、(余暇の運動などを実践できない/する気のない層も)意識せずに推奨レベルに近づける重要且つ簡便な選択肢になると思う」
体脂肪を燃やす系に転身?
もちろん日英間の通勤事情の違いはあるものの、自転車ツーキニストへの実践可能距離に大差はないだろう。
理想の車種選び法や各種装具の紹介、思わぬメリットや日々の注意点などに関しては先輩ツーキニストたちの推奨サイトがたくさんあるので御参照を。
自宅と職場の概算距離を調べる方法も地図サイトを活用すれば、およその見当はつく。
そして、先輩陣の複数意見を総合すると、自転車で無理なく通える距離は「片道15kmまで」、往復時間にして「約1時間以内」が一般的基準のようだ。
諸々の交通事情や途上の坂道や高低差の有無によって個人差は出るだろうが、体重70kgの人が走行速度15km/hで往復60分の自転車通勤を毎日通った場合。
METS法(Metabolic equivalents)で計算すれば、消費カロリーと体重減の流れは次のとおり。
■1日あたりの消費カロリー(700kcal)/体重減少量(0.1kg)
■継続1カ月めの消費カロリー(14000kcal)/体重減少量(2.0kg)
■継続3カ月めの消費カロリー(42000kcal)/体重減少量(6.0kg)
いうまでもなく、これは机上の効果値ではあるが、やる気を喚起するには十分な変化ではないか。さて、あなたもGW前から風を切って体脂肪を燃やす系に転身しますか?
(文=編集部)