交通安全期間以外の取り締まりが緩いのでは!?
しかし、正直、理想論としか映らない現実が依然として続き、警視庁の統計『都内自転車の交通事故発生状況』(平成26年中)からは次のような傾向が読み取れる。
●交通事故全体に占める「自転車関与事故」の割合が高い。しかも全国平均が全体の20%前後で推移しているのに対し、都内では36%前後の推移である。
●交通事故死者・負傷者に占める「自転車乗用中死傷者」の割合が高い。これも全国比で都内が高く、「自転車対歩行者」の交通事故のうち約31%(26年)が都内で発生している。
●都内の「交通事故当事者」を年齢別で見ると20歳代~40歳代の割合が高く、この該当層だけで全体の約53%を占めていた。
もっとも同じく警視庁の資料『自転車の交通人身事故発生状況』(平成27年中)によれば、自転車乗用中の交通事故自体は「平成18年以降減少傾向」なのも事実。しかし、死者数33人は都内の交通事故による全体数161人の20.5%を占めており侮れない怖さを明かしている。
音楽は我慢できても雨具走行は止められない!?
一方、2月18日に国民生活センターが注意を呼びかけたのが「雨具を着て」の自転車事故。自転車用市販雨具の利用者調査から「チェーンに絡まり転倒した」「フードが顔を覆い、前方が見えず側溝に落ちた」などの声が寄せられ、実証実験した結果の注意喚起だ。
実験ではカゴや泥除けのないスポーツ自転車の場合、ポンチョ型の雨具の裾が後輪に接触して巻き込まれる現象が起きた。加えて強風に吹かれるとフード部分が顔を覆ってしまい、視界が遮られる危険性も確認された。
また、ズボン型の雨具では裾の締め付けヒモが垂れ下がってチェーンに巻き込まれた。意外な盲点としては雨具の収納袋をカゴに入れて走行した場合、袋の口を締める役割のヒモが前輪に絡まる危険性も確認された。
施行後はスマホ走行同様、傘さしチャリもNGなのだが、ママさん違反者が絶えないのが現実だ。やむを得ず雨天乗用する際は「雨具を」と取り締まる側は奨めるが、その雨具で転倒しては元も子もない。貧困ジャパン下では14項目の厳守など無茶ぶりに過ぎないのか?
(文=編集部)