シリーズ「最新の科学捜査で真犯人を追え!」第5回

指紋、血痕、体液など肉眼で見えない痕跡を可視化! ALS(励起光源)の超透視力

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 ALSとカラーゴーグルが活躍するシーンは、人気TVドラマ『科捜研の女』『CSI:科学捜査班』『ボーンズ』などにたびたびお目見えしているので、知っている人も多いだろう。

 光学検査は、1970年にカナダ警察が水冷式の医療用アルゴンレーザーを実用化し、指紋、体液、繊維などを検出したのが始まり。だが、検査機器が大き過ぎ、検査費用もかさんだため、捜査現場での活用は少なかった。小型レーザー装置や手軽で安定した光源システムが開発された1990年代以降は、光学検査は、ラボ内から事件現場に移る。さらに、LEDが登場するや否や、ALSは、科学捜査の最前線に躍り出た。

 ALSはさまざまな場面で応用されているが、唯一の欠点があった。肉眼で見えない潜在指紋を検出する時、ALSは検体の背景に敏感に反応したために、指紋の観察・採取が正確にできなかった。

 だが、潜在指紋だけを発光させるALSの専用試薬が開発された。現在、潜在指紋は、ALSと専用試薬と、高感度の法科学用一眼レフカメラ(アメリカFujifilm社)によって撮影される。その画像データーは、専用のプログラムソフトを活用して、潜在指紋だけを正確に抽出できる。

  ちなみに、紙幣には、紫外線に反応するインクが使われていることから、ALSは偽札や偽造パスポートにも目を光らせている。


佐藤博(さとう・ひろし)
大阪生まれ・育ちのジャーナリスト、プランナー、コピーライター、ルポライター、コラムニスト、翻訳者。同志社大学法学部法律学科卒業後、広告エージェンシー、広告企画プロダクションに勤務。1983年にダジュール・コーポレーションを設立。マーケティング・広告・出版・編集・広報に軸足をおき、起業家、経営者、各界の著名人、市井の市民をインタビューしながら、全国で取材活動中。医療従事者、セラピストなどの取材、エビデンスに基づいたデータ・学術論文の調査・研究・翻訳にも積極的に携わっている。

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