すべての薬には何らかの副作用がつきものだが、湿布も同様だ。安易に使っていると思わぬ副作用に見舞われることがある。特に高齢者に多いのが、多用、連用によるものだ。
たとえば、痛みや炎症を抑える医療用貼り薬「モーラステープ」に含まれる「ケトプロフェン」という鎮痛成分には、「光線過敏症」という副作用がある。貼ったまま紫外線を浴びると、貼った部位に発疹、腫れ、かゆみ、水ぶくれなどの症状が表れる。
厚生労働省の発表によると、妊娠後期に使用した後、胎児の心臓につながる胎児動脈管が収縮し、胎児に肺高血圧症などが起きたケース、妊娠中期の使用で羊水が少なくなる羊水過少症も報告されている。
また、インドメタシンには、筋肉を萎縮させてしまう副作用があり、ほかにも喘息を患っている人には用いてはならないという欠点がある。そのほかにも、アレルギー反応を引き起こしたり、胃の粘膜を刺激して胃腸炎になったりしたケースが報告されている。
今回の湿布の処方枚数の制限策が、医療費削減の面だけでなく、適切な使用に基づく効果や副作用への喚起を呼ぶことに期待したい。
(文=編集部、監修=三木貴弘)