政治家といえば、若々しさが票につながることもあり、染めたりして白髪を隠す議員は少なくない。ところが、政界にも白髪ブームの波が押し寄せたのか、それまで黒髪を通してきた、甘利明経済財政担当大臣が白髪を染めるのをやめた。最近では、民主党の細野豪志政調会長が白髪染めをやめ、ツイッターで「中年の道を歩む」と宣言した。
今年1月には、黒髪を白髪に変えるヘアワックス「シルバーアッシュ」(有限会社ビビッド・ワン)が登場。日本人の髪のメラニンの割合に着目して開発し、試行錯誤の末に補色効果と独自の配色調合で、自然で品のある“白銀髪”を可能にした。パサパサに見えやすい白髪にツヤ感をプラスすることで、清潔感や爽やかさを保つのがポイントらしい。
世間ではアンチエイジングが花盛りだ。年齢不詳の「美魔女」という言葉も定着し、シミやシワ、たるみなどをカバーするレーザー治療やボトックス、リフトアップ術……。さまざまな手法を駆使して「若々しさ」「美しさ」を手に入れようとする人であふれている。
その一方で、白髪をコンプレックスとして隠さずに、個性、トレードマークとする流れや、それを支持する声は、過剰なアンチエイジングに疲れた人々のホンネの一面なのかもしれない。このブームは一部でとどまるのか、はたまた一過性で終わるのか、今後の推移に注目したい。
(文=編集部)