高齢者ほど肉を食べるべき!? 70歳以上の5人に1人が「タンパク質不足」による栄養失調!

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 実は、現在日本では70歳以上の5人に1人が「栄養失調」状態だと指摘されている。中でも深刻なのが肉などのたんぱく質不足。肉や脂を控えた食事が健康に良いとされるのは、生活習慣病の原因になるメタボ予防のためだが、それが有効なのは40代〜50代くらいまで。60歳を超えての粗食は老化に直結し、健康にとって害が大きくなる。

 高齢者の低栄養が問題なのは、要介護状態になるリスクを高めるからだ。中でも老化に伴って筋肉量が減る「サルコペニア」という現象は、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)を引き起こす最初のきっかけと言われている。

 成人が1日に必要とするタンパク質の目安は、体重(kg)✕1〜2gといわれ、それは高齢になっても変わらない。体重が60kgの人であれば1日60g~。普通に生活をしている人は体重✕1gで十分だが、激しい運動をしている人やケガをした人、妊婦などはもっとたくさん必要になる。

 そして実は、高齢者でエネルギー摂取や毎日の活動量が極端に少ない場合、若い人よりもタンパク質が必要になる。タンパク質の利用効率が落ちるためだ。そのため、タンパク質を積極的に摂るべきなのだ。

手の平1枚分を一食の目安にしよう

 タンパク質の量は食材によって異なるが、ごくおおまかな目安として一食当たり「手の平のサイズ✕厚さ」を基本にするといい。毎食、手の平1枚分を目安に肉、魚、卵、大豆製品などをバランス良く食べることで、必要なタンパク質の補給が可能になる。

 ちなみに、1日60gのタンパク質をさまざまな食材で補うためには、たとえば、魚を約100g、肉を約100g、豆腐を1/3丁、卵1個、牛乳1本(200ml)となる。毎食しっかり意識しないと、足りなくなるという人もいるだろう。

 タンパク質不足による栄養失調状態は、ダイエット中の女性やインスタント食品を食べることが多い若者にも見られる。暑さが厳しくなると食がすすまず、そうめんなどの麺類だけで済ませがちだ。この季節は特に、食事の栄養バランスに注意したい。
(文=編集部)

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