腸内細菌を徹底解剖 第4回

大腸がん増加の原因は野菜不足!! じゃあ、何をどのくらい、どうやって食べればいいの?

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野菜不足が大腸がん急増の原因! shutterstock.com

 前回は、大腸がんの発症リスクと食生活について話した。今回は、大腸がんに罹らない食生活のコツについて話そう。

野菜や食物繊維の摂取量が減っている

 日本人の大腸がんが増えてきた原因は、洋食化や肉食偏重だけでなく、極端な野菜離れの影響もある。厚生労働省の2012年国民健康栄養調査によれば、日本人の大人1日当たりの野菜摂取量は267g。目標の1日当たり350gを大きく下回っている。

 国民健康運動の指針である「健康日本21」でも、野菜摂取量が最も多いのは60~69歳の約300g、20代は300g以下だ。「健康日本21」では、350gのうち、緑黄色野菜120g、淡色野菜230gを摂ることを勧めている。ニンジン、ほうれん草、カボチャ、小松菜などの緑黄色野菜は、100g中にβカロチン600μg以上、キャベツ、レタス、大根、もやしなどの淡色野菜は、抗酸化ビタミンA・C、食物繊維、カルシウム、カリウムなどの栄養素を豊富に含んでいる。しかも、低カロリー。免疫力を高めるので、大腸がんだけでなく、高血圧、肥満などの生活習慣病の予防にも最適だ。

 ただ、野菜1日350gといわれても、何をどれくらい食べればいいのか分からない。野菜350gは、病気の予防に効果的な栄養素を適切に摂るための必要量と考える。栄養教育・食育実践マニュアルなどを参考に、野菜350g以上を摂るための目安を紹介しよう。

 まず、野菜350gは、どのくらいのボリュームなのか?

 例えば、プチトマト5個/ほうれん草3株/ニンジン中1/2本/キャベツ大きめの葉1枚/もやし少量パック1/2を食べれば350g。あるいは、きゅうり1本/ニンジン1/2本/キャベツ2枚/ピーマン1個/ほうれん草1/4束でも350gになる。

 想像以上に少量だと感じなかっただろうか?

 1皿70g×5皿=350gで換算してもいいだろう。たとえば、青菜のお浸し1皿/野菜サラダ1皿/カボチャの煮物1皿/生春巻き1本1皿/野菜炒めなど大皿料理(1人前)2皿/野菜カレー(1人前)2皿。合計5皿で350gになる。

 この量を1日3食で摂ればいいのだが、毎日食べるのは、少し難しそうだ。そこで、野菜を美味しく、しかも効率よく摂るためのコツをまとめてみた。以下の点に注意して、野菜1日350g以上を目標に野菜不足を解消してほしい。

野菜1日350gを欠かさず食べるためのコツ

<加熱してカサを減らす>
 野菜を炒めたり茹でたりして加熱すれば、水分が出てカサが減るので、生食よりも多く食べられる。加熱して失われるビタミンCなども、増量すれば補える。熱に強い栄養素や食物繊維は、おひたし、温野菜サラダ、みそ汁やシチューなど好みのメニューにすれば、十分に摂れるはずだ。

<外食では野菜の量が多いメニューを選ぶ>
 ランチタイムなど外食の場合は、麺類ならタンメンや五目麺など野菜の品数を多く取り入れたメニューを選ぼう。

<野菜を手軽に摂るように工夫する>
 パスタやうどんを茹でる時や、肉を炒める時は、加熱できる野菜を加える。2~3日分を多めに茹でて冷蔵庫に保存したり、冷凍食品を活用したり、野菜を手軽に食べられるように工夫しよう。

 その他、野菜をたくさん摂るコツは、食事の始めに野菜を食べる/毎食副菜を摂る/主菜のつけあわせを増やす/具だくさんな汁物を摂ることだ。たとえば、以下のような野菜料理を好みに合わせて追加してみよう。

 ひじきの煮物/具だくさんのみそ汁/冷やしトマト/野菜の煮しめ/ほうれん草のおひたし/きのこのバター炒め/かぼちゃの煮物/レタスときゅうりのサラダなど。また、焼肉などの場合は、肉の3倍相当の生野菜を食べれば、肉の消化・吸収が促され、便秘解消にも役立つだろう。

 今回は、大腸がんに罹らない食生活のコツについて話した。次回は、大腸がんに罹らない食生活に必須の食物繊維ついて話そう。

「腸内細菌を徹底解剖」バックナンバー


佐藤博(さとう・ひろし)
大阪生まれ・育ちのジャーナリスト、プランナー、コピーライター、ルポライター、コラムニスト、翻訳者。同志社大学法学部法律学科卒業後、広告エージェンシー、広告企画プロダクションに勤務。1983年にダジュール・コーポレーションを設立。マーケティング・広告・出版・編集・広報に軸足をおき、起業家、経営者、各界の著名人、市井の市民をインタビューしながら、全国で取材活動中。医療従事者、セラピストなどの取材、エビデンスに基づいたデータ・学術論文の調査・研究・翻訳にも積極的に携わっている。

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