経産省が発表した「健康銘柄22社」 は好景気の波に乗って買いか?

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株価アップを後押しするか? Rawpixel/PIXTA(ピクスタ)

 日経平均株価が、日によっては2万円を越えるようになり、心理的に「上向き」人も多いようだ。何しろ、平均株価が2万円を越えたのは15年ぶり。ひと昔前の1989年には、3万8915円をつけたことがあるなんて、若い投資家には信じられないだろう。

 「バブル」と呼ばれた当時、売上げを伸ばした商品に栄養ドリンクがある。好景気で仕事はどっさりだったが、夜遊びも盛んで、「24時間戦う!」と叫んだ狂乱の時代だ。駅の売店や薬局で(コンビニやドラッグストアはまだあまりなかった)ビジネスマンが小瓶を買い、くいっと飲み干す姿がよく見られたものだ。

 好景気を享受するには、やはり健康が第一である。最近、「景気と健康」に関して経済産業省のお役人がちょっと面白いものを発表した。「健康的」な施策だが、厚生労働省の仕事でないのがミソである。

「風が吹けば桶屋が儲かる」理論で将来の医療費が減る?

 2015年3月、経済産業省は東京証券取引所と共同で、「健康銘柄」22社を発表した。健康食品や薬に関係する優良企業のリストかと思ったら、そうではない。社員の健康管理に熱心な企業を選んだそうだ。なぜ? と首を捻る人も多いだろう。

 企業にとって株価上昇は、株主や社会からの信頼が増し、資金を調達しやすくなる。「健康銘柄」に指定され、投資家から好まれて株が買われるのは望むところだ。「指定されたい」と考える企業は、たくさんあるだろう。

 指定されるために、従業員に健康診断を受けさせたり、健康指導を行ったり、生活習慣病に陥らない取り組みをする。すると、「現役世代の生活習慣病が減り、将来的に高齢世代の医療費も減る」、という壮大稀有な「取らぬタヌキの皮算用」だ。お上が主導する「風が吹けば桶屋が儲かる」作戦だ。

 この想定には、「健康銘柄」に指定された企業の上がるはずという前提がある。さて、あなたが投資家だったら「健康銘柄」22社を買いますか?

実は倒産しにくい優良企業が選ばれていた

 いざ、自分が株を買うとなれば、気になるのは「どうやって22銘柄が選ばれたのか」だ。

 まず経産省は、東証上場の約3500社に調査書を送付。トップが従業員の健康にどう関与しているのか? メタボリックシンドロームの従業員の割合は? などの100項目をたずねたところ、回答したのは約400社。この回答に対する評価が高く、さらに自己資本利益率(ROE)が平均を上回る企業を各業種1社ずつ選んだということだ。

 ROEは、資本に占める自己資本の割合だ。この割合が高ければ倒産しにくく、逆に低ければ借入金などが多いために不安定と見なされる。

 つまり、銘柄に選ばれたのは業界でもROEが高い企業だ。健康的かどうかは度外視しても「とりあえず買ってもいいかな」という気にはなる。投資家の興味をひくひとつの要因にはなり得そうだ。

 ちなみに「健康銘柄2015」は次のとおり。
 アサヒホールディングス、東レ、花王、ロート製薬、東燃ゼネラル石油、ブリヂストン、TOTO 、神戸製鋼所、コニカミノルタ、川崎重工業、テルモ、アシックス、広島ガス、東京急行電鉄、日本航空、SCSK、丸紅、ローソン、三菱UFJファイナンシャルグループ、大和証券グループ本社、第一生命保険、リンクアンドモチベーション。

 経産省では今後、1~2年ごとに銘柄を変更する予定だ。
(文=編集部)

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