密かに忍び寄る「アルコール依存症」は「まだ大丈夫」と思っていても結構ヤバい!

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とても身近なところから忍び寄る monjiro/PIXTA(ピクスタ)

 年度変わりの歓送迎会やお花見など、飲酒の機会が増えるシーズンもひと段落――。

 なかには、お酒で失敗をやらかし、現在「禁酒中」という人もいないだろうか。あるいは「これまでの酔い方と違う、年のせい? それとも病気?」と不安を感じている人もいるかもしれない。一方で、宴会シーズンに限らず、普段から飲酒の機会が多い生活を送っている人もいるだろう。

 実は、どのケースも「アルコール依存症」の第一歩だ。アルコール依存症というと、昼間から酔っ払っている「連続飲酒」や、お酒が切れると手が震えるような「離脱症状」のイメージが強い。仕事を失い、家庭も崩壊......そんな生活破綻の状況が思い浮かばれるかもしれない。

初期症状は「密かに」「さりげなく」忍び寄る

 だが、アルコール依存はもっと身近な病気である。初期症状はとてもさりげなく、密かに忍び寄ってくる。アルコールに依存している人の多くは、仕事を失ってもいなければ、家庭も崩壊していない。大半の人は酒乱でもない。そこが落とし穴だ。

 アルコール依存症をひと言でいえば、「お酒をコントロールして飲めない」病気である。アルコール薬物問題全国市民協会によると、始まりは次のように些細だ。

○機会あるごとに飲む(習慣性)
○お酒にだんだん強くなっている(耐性)
○気分を盛り上げるために飲む(精神依存)

 そして、飲むことが習慣化する。

○ほとんど毎日飲む(習慣性)
○緊張をほぐすために飲む(精神依存)
○ほろ酔いでは、飲んだ気がしない(耐性)

 だんだんエスカレートする、進行性の病気だ。

○生活のなかで飲むことが重要になってくる(精神・身体依存)
○ブラックアウト(記憶を失うこと)が起きる(依存症の初期症状)

 どうだろう、当てはまる人は案外いないだろうか? これらのどこかの段階で、少しドキッとして、自らの胸に手を当てた人は、まだ間に合う。酒とのつきあい方を再考し、リセットするといい。

「自分は大丈夫」がもっとも危険

 ところが、「多少は当てはまるけど自分は大丈夫」と思った人は「イエローカード」と心すべきだ。

 生活が崩壊していないかぎり、「自分はアルコール依存だ」とは、なかなか自覚はできない。これが、依存症の怖いところだ。「病識に乏しい」、つまり自分は病気だという認識を持てないのが、大きな特徴なのだ。別名「否認の病気」とも呼ばれ、周囲がいくら指摘しても「自分は依存症ではない」と否定する。

 項目に該当しても「自分は大丈夫」と考えた人は、すでに立派な予備軍である。

 「酒は飲んでも飲まれるな」とはよくいったもの。酒に飲まれている自分に気づいたら、まずは素直に、その事実を認めることだ。アルコール依存症の回復過程において、「自覚」は非常に重要だ。

 ただし、「酒は百薬の長」ともいわれ、血行をよくしたり、リラックス効果を生んだり、幸福感をもたらしたりと、酒の恩恵は確かにある。要は、機会飲酒にとどめる力、飲酒量を自制する力を保てるかどうかだ。

 ビールのおいしい季節が到来する前に、いま一度、アルコールとのつきあいを振り返ってもらいたい。
(文=編集部)

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