風邪薬を買ってきて飲むことは百害あって一利なし!? 風邪を治す薬はない

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風邪薬が風邪の治りを妨げる!?

 ほとんどの医師は風邪薬を飲まない。なぜなら、風邪を治す薬はないからだ。

 そもそも風邪は実はひとつの病気を指す言葉ではない。鼻水、鼻づまり、のどの軽い痛みや咳、38.5度未満の発熱など、喉から上の上気道に症状がとどまっている「かぜ症候群」またの名「普通感冒」であるが、その原因となる微生物はひとつではない。だいたい200種類以上、さらに次々に変異していくため、変異まで考えれば、とてつもない数になる。そのひとつひとつに合う薬を開発するのは非現実的。それが「風邪を治す薬」が開発されない理由だ。

 ドラッグストアなどで買える市販の「風邪薬」は風邪にかかった際に起こる、熱、くしゃみ、鼻水などのつらい症状をやわらげるだけの薬だ。しかし、そもそも風邪で引き起こされる症状は、風邪の原因となる外部から体に侵入した微生物を追い出すためのもの。熱が出るのは、高温のお湯などで消毒するのと同様。くしゃみは口から、鼻水は鼻から、微生物を外へ追い出してくれている。

「もしかして風邪薬は、体による風邪との戦いを邪魔してない?」

 そのとおりで、熱を下げたり、くしゃみや鼻水を止めたりしてしまうと、体の風邪との戦いを邪魔することになり、風邪が長引くことも少なくない。だから医師は風邪薬を飲まない。

 セキがひどすぎて眠れない、高めの熱が続いて食欲が落ちて栄養をとれない...といった症状による弊害が大きい場合だけに、風邪薬は用いるもの。

 あるいは、「どうしても明日のプレゼンを成功させるために、風邪の症状を一次的に止めたい」といった場合には、風邪薬は役立つ。この場合、健康より社会的事情を優先させたのだから、代償として、土日は寝込むことになっても仕方ないだろう。

風邪のときに処方される抗菌薬はほとんど無意味

 風邪を引いたら、医者に行き、抗菌薬を出してもらうべきだと勘違いしている人は少なくない。しかし、風邪を引き起こす微生物の9割はウイルスであり、細菌が原因の風邪はわずかに過ぎない。抗菌薬は細菌をやっつける薬であり、ウイルスには無力だ。つまり抗菌薬は、ほとんどの風邪にはなんの役にも立たない。

 ウイルスは仮に微生物に分類されてはいるが、自力では増殖できず、人間や動物などとりつき、生きている細胞をだましてその力を利用して増殖する。生物ではないという考え方もあるくらいだ。いったん人体で感染してしまったウイルスを攻撃しようとすると、自らの細胞を攻撃することになってしまう。

 従って抗ウイルス薬の開発は難しく、インフルエンザなど少数のウイルスに対抗する薬しか開発されておらず、抗インフルエンザ薬も増殖を止めるだけで、いったん増殖したウイルスをやっつけることはできない。インフルエンザ薬は早い段階で用いなければならないとされる理由はここにある。

「風邪薬を飲まずに、どうすれば風邪は治るんだ?」

水分と栄養を適度に摂って、ゆっくり休む...これが一番。食事は消化が良く、ビタミンCなどを多く含むバランスがとれたメニューがいい。食欲がない、すぐに眠りたいときは無理に食べなくてもいい。ふとんもふつうの温かさでいい。汗をかくと体力を使うので、厚着はしないほうがいい。だいたい3~5日で治る。
(編集部)

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