もうすぐ始まる花粉の飛散shutterstock.com
今や日本人の4人に1人が花粉症だと言われ、春になれば花粉の飛散情報が流れる時代になった。立春の頃には、くしゃみ、鼻水などの症状が出ているひとも多く見られ、花粉症か風邪かの見極めも重要になってくる。
症状として目のかゆみがあれば分かりやすいが、くしゃみや鼻水、鼻づまりなどはどうだろう。頻発するくしゃみであればアレルギーの可能性が高く、鼻水は風邪の場合ネバネバとし、黄色や緑の色が付いていることが多いのに対し花粉症の場合、さらさらと水っぽく透明となる。鼻づまりは花粉症よりも風邪のほうが軽度だという特徴がある。さらに鼻づまりによって、口が渇いたり、喉に軽い痛みや咳が出ることもある。こうして細かくチェックしていくと、風邪との違いが見えてくるはずだ。
たとえ花粉症だと分かったとしても、目のかゆみやくしゃみ、鼻づまりでイライラしたり、薬のせいでボーっとしたり、辛いことには変わりない。なんとかこの症状を軽減する方法は無いものなのか。そこで、イライラの季節が来る前に、いくつかの予防策を紹介しよう。
発症前に抵抗力を高める生活を心がける
花粉症がある人の中で、果物アレルギー(口腔アレルギー症候群)でもある人が多いことはご存知だろうか。果物アレルギーは、特定の果物や野菜を食べると、口の中がピリピリしたり、体に蕁麻疹ができたりするもので、花粉症と密接な関係にあると言われている。
たとえば、スギやヒノキの花粉にアレルギーのある人は、トマトにアレルギーが出たり、ブタクサの花粉にアレルギーのある人は、スイカやきゅうりなどにアレルギーが出たりすることがあるので、まずは自分がどの花粉のアレルギーか分かっていたら、関連のある果物や野菜を普段から大量に摂取することは控えたほうが良いだろう。
次は、抵抗力を高めることも重要だ。体の自律神経を整えることで、免疫力が高まり、アレルギー症状が起きなかったり、軽減したりするので、良質な睡眠をとり、疲れやストレスをためないことが大切だ。ある日突然花粉症を発症したというケースをよく耳にするが、そういう場合は、仕事や暮らしのストレスを抱え、疲れている状態にあることが多いようだ。まずは生活習慣の見直しからはじめてみよう。
食生活の見直しとしては、ヨーグルトや味噌などの発酵食品などが腸内環境を整え、免疫力アップに繋がると言われる。カカオや赤ワインに含まれるポリフェノール、青魚に含まれるEPAやDHAといった必須脂肪酸などもアレルギー症状を軽減する効果があるので、食卓に並べるようにしたら良いだろう。
こうして準備を整えても、花粉症になってしまったら...。症状がひどくならないように日常的にできることといえば、外出時の花粉用ゴーグルとマスの着用。髪の毛はできるだけまとめ、ツルツルした素材のコートを着用することによって、花粉が体に付着しないようにすることも大切だ。家に入る前には必ず衣服や髪についた花粉を払い、洗濯物は外に干さないことや、手洗い、うがいなども欠かさないことだ。
それでも辛い症状が続くようなら、薬に頼ってみよう。代表的な薬には、抗アレルギー薬、抗ヒスタミン剤、抗ロイコトリエン剤などがある。たとえば、抗アレルギー薬は鼻づまりなどの症状に良く効くが、効果がでるまでに時間を要するので、季節到来の2~3週間前には飲んでおく必要があるし、抗ヒスタミン剤は即効性があり、目のかゆみやくしゃみ、鼻水などに良く効いて、新しいタイプのものは眠くならりにくいものも出ている。
漢方薬にも花粉症の症状を軽減する小青竜湯(ショウセイリュウトウ)などが知られるが、体質や症状によってさまざまな方剤が選択されるので、専門医に相談することだ。
(文=編集部)