●ジャンクフードはタバコより脅威
国連の特別報告者(食料問題担当)のデシューター氏は、今年5月、こうしたジャンクフードについて「タバコよりも大きな人類の健康上の脅威になっている」と警告した。デシューター氏は、2012年にも国連内で報告書を提出しており、そこでは「不健康を促進する食品への課税」「ジャンクフードの広告の取り締まり」などを提言している。
今回の警告もかなり厳しく、「国際社会がタバコを規制したように、一致団結して適切な食事を摂るための大胆な条約に合意する必要がある」と提言しているのである。
もちろん、これらの提言がすぐに実行に移されるかどうかは疑問だ。手軽でおいしく、しかも低価格であれば、それを享受しようとする多くの人々がいる。タバコとガンのように、具体的な因果関係や発症の症例が出現しなければ、こうした動きは加速しないだろう。また、ジャンクフードがタバコと比較してどれだけ健康を損なうかという大規模な研究成果もいまだにないため、この計画が世界的に浸透するまでにはかなり時間を要するのではないかと予測される。
●食に対する直感をもっともっと大切にすべき
ただ、われわれは食に対する直感をもっともっと大切にすべきかもしれない。ジャンクフードを健康的な食べ物だと信じて食べている人間はいない。大量に食べ続けても何も問題がないとは思っていないはずである。
であるならば、個人個人が自衛のためにジャンクフードと対峙していった方がいいだろう。それでも「食べない」という選択肢がとれないならば、減量していくことを考えるべきだ。
最も効果的なのは、日常生活におけるストレスの軽減だという。ヒトの脳はストレスによって、脂肪や砂糖に対して強い欲望を感じるようになる。すると、かつて食べたことのある「高カロリー、高塩分、多量の砂糖」さらには癖になる食感を持つジャンクフードを思い出し、手が伸びるのである。なにより、ゆったりとしたイメージで食事を摂ることが大切だ。ストレス解消はそのまま肥満解消にもつながることになるのだ。【TOCANA初出】(2014年8月)
(文=チーム・ヘルスプレス)