●臓器狩りに協力して利益を得ている海外の医師がいる
中国は現在アメリカに次ぐ世界第2位の移植大国。公式に発表された数字だけでも2005年には約2万件の手術が行われている。しかも驚異的に待機期間が短い。ドナーのはっきりしている数字より移植件数がはるかに多く、毎年の死刑囚の統計からしても、どこかに大量にストックされたドナー候補がいて、即座に摘出ができる状態があるとしか考えられない。それが主に法輪功学習者を中心とした囚人で、生きたまま強制的に臓器摘出が行われていると推測されている。
マタス氏はかつての報告書で「2000年から2008年までに囚人6万5千人が臓器移植のため生体のまま臓器を収奪され殺害された」、「臓器狩り対象は主に、共産党に違法とされ、監禁された法輪功学習者ら約120万人である」などとしている。今回の講演でも、現在進行形の「ホロコースト」(大量虐殺)であると断じた。
さらに、日本人医師がこうした移植にかかわっている可能性に対し、「中国に協力し、大きな利益を上げている外国人医師は知っている」と明確な発言は避けたものの、「海外の医師は、臓器狩りに関わっている中国の医師と、どんな種類の医療協力、共同研究であれ、接点を持つべきではない」とした。
欧州議会は昨年12月12日、中国で起きる強制的な人体臓器の奪取(臓器狩り問題)について、即刻止めるよう中国政府に求める決議を可決した。中国当局は2015年までに死刑囚からの臓器移植を段階的に中止するとの発表も行っている。一方、この臓器を移植された日本人が少なくないにもかかわらず、日本政府は、全く何のアクションも起こしていない。【TOCANA初出】(2014年7月)
(文=チーム・ヘルスプレス)