外出自粛で白髪問題が……(GettyImagesより)
新型コロナウイルスによる外出自粛生活でヘアサロンに通いにくく、白髪問題に直面している人も多いのではないでしょうか。
髪は1カ月で約1センチ伸びます。染めても大体1~2カ月で根元の白髪は目立ち始め、鏡を見るのもイヤになってしまいますね。そこで、対処法としてホームカラー剤に手を出す人が増えていますが、「上手に染まるの?」「ダメージは大丈夫?」「どれを選べばいいの?」とさまざまな疑問が……。
今回は失敗しないホームカラーの使い方を紹介します!
ホームカラー剤を選ぶ際のポイントとは?
まず、ホームカラー剤の初心者や久しぶりに使う人が迷うのが色選びです。「根元は白いけど毛先は明るい」など、毛髪の色素はグラデーションになっているのが一般的ですから、どの部分の色に合わせるか迷いますよね。
しかし、プロの美容師によれば、色選びよりも大事なポイントがあるといいます。
<じつは、色選びより先に選択すべきはテクスチャー。次のサロンまでのつなぎと考えるなら、白くなった根元だけを染める‟リタッチ法“がベストです。そこで、泡タイプよりクリームタイプをチョイスしましょう。
髪全体をもみ込んで染める泡タイプは、根元だけに“のせた”つもりでも毛先まで流れやすいのです。一方、クリームタイプは、染めたい根元だけにピンポイントで塗布しやすく、付属の刷毛やブラシを上手に使えば、カラー剤が髪に密着して染めムラを防げます>(MAGNOLiAデザイナー・CHINATSUさん)
では、クリームタイプを選んだ後の色選びのコツはあるのだろうか?
<市販の白髪染めは、簡単に染まるように染料が濃くパワーも強いのが特徴です。なので、想像以上に暗くなることを理解しておきましょう。白髪より先の根元に近い髪色より“1トーン明るめ”を選ぶと失敗が少ないですね>(CHINATSUさん)
セルフカラーでもダメージレスな方法は?
カラー剤を決めたら、次は塗り方。先程のとおり、市販の白髪染めは薬剤のパワーが強いので、雑に塗るとダメージを起こしやすいデメリットがあります。そのため、<最初にホホバオイルやアルガンオイルを頭皮や顏まわりの肌になじませておくと、薬剤の刺激を軽減できます>(CHINATSUさん)
そして、リタッチで塗るべき箇所は、主に2カ所あります。
① 眉山と眉山の延長線上より内側にある毛束を引き出し、この根元に塗布。
② 右耳上から左耳上を結ぶ生え際の根元に塗布。
<この2カ所は白髪が生えやすく、人にも気づかれやすい部分です。①は、センターパートにしたとき、左右それぞれ5センチ程度の幅に当たります。②は、顔まわりをイメージしましょう。特に耳上のもみあげは、毛が太く色が着色しにくい部分。ムラのないよう丁寧に塗布します>
<表面からベタベタのせるだけでは、内側の白髪が染まりません。分け目をめくりながら、数回に分けて内側も塗布します。このとき“根元の根元”、頭皮に一番近い生えたての白髪は、頭皮の体温で染料が促進される特徴があります。無理にたっぷりと薬剤をのせて頭皮のダメージを引き起こしては台無し。ほんの少しだけ、生えたての毛を外すといいですね>
<刷毛などを使ってなじませる際、最後は面を使って上から軽く押さえつけ、さらにラップなどでフタをしましょう。根元の毛は立ちやすいので薬剤を弾きやすいのですが、これで染料の定着が高まります>(CHINATSUさん)
頭皮ダメージを減らすために、根元は数ミリ外して塗って大丈夫。頭皮体温で染料が促進され、この状態でも染まりやすい
一番目立ちやすい分け目にはラップをのせて上から軽く押さえるように放置。染料を弾きやすい根元側にも色がのりやすい
プロの技をプラスしてムラのない染め上がりに!
塗布後は、説明書どおりの放置時間を守ることが大切です。染料をのせたままではダメージが加速しますので、十分に注意を。
すすぎには、プロのテクニック“乳化”を取り入れてみましょう。
<一気にすすがず、染料を塗布した部分に少しだけお湯をなじませてから指先で優しくもみ込みます。これによって乳化させると、色の定着がグンとよくなります。その後、しっかりとすすいでからアミノ酸系など低刺激のシャンプーで丁寧に洗い上げます。トリートメント後にやさしくタオルドライをしたら、頭皮用化粧水で保湿し労わってあげましょう>
<次の白髪染めは、1カ月ほど空けるのがポイントです。サロンで染める場合、ホーム用の白髪染めを使ったことを予め伝えると、それを考慮して薬剤や色をセレクトするので、ホームカラー後もキレイに染まります>(CHINATSUさん)
白髪が目立ちだしモヤモヤしている方、上手にホームカラーを取り入れてこの緊急事態をスマートに乗り越えましょう。
MAGNOLiA青山店・ヘアデザイナーのCHINATSUさん。40代以上の大人世代の顧客を多く抱える人気ヘアデザイナー。白髪や薄毛など、悩みを抱えた髪質を今よりラグジュアリーにチェンジさせるのがお得意
MAGNOLiA
(取材・文=小澤佐知子)
小澤佐知子(おざわ さちこ)
美容ライター。小学館や学研で外部編集者を経験した後、出産を機にフリーランスに転身。以後、美容ライターとして計50誌以上で取材・執筆を行う。
現在はヘアケア・ヘアデザインなど「髪」に関する記事の企画・構成・取材を中心に活動。雑誌や書籍以外にWebサイトでコラムやインタビューの連載を持つ。東京都内のヘアサロンの「ビジュアル監修アドバイザー」として非常勤役員も務める。