ヘアオイルで乾燥ケアからボリュームアップまで叶う!?「GettyImages」より)
空気の乾燥の厳しいシーズンは、髪にもパサつきやダメージを及ぼします。髪に潤いが不足すると、ヘアスタイルはまとまりにくくなり、広がりやうねりが顕著に現れます。髪がキマらないと顔まで疲れた印象になってしまうので、困っている人も多いのではないでしょうか。
そこで活用したいのが「ヘアオイル」。髪を内側から保湿して栄養を補給するだけでなく、ドライヤーの熱や乾燥などからも守ってくれる優れものです。髪を内と外の両面からしっかりケアしてくれるため、空気が乾燥するシーズンでも、まとまり感のある美しい髪を保てます。
ただし、有効活用するためには“コツ”があります。ヘアオイルは、使う量やタイミングを誤ると、その効果をうまく活かせません。ヘアオイルの効果を最大限に活かし、ストレスフリーなサラツヤ髪を作るポイントをご紹介します。
オイルサンドでスタイリングの満足度もアップ
特に乾燥が厳しいシーズンは、ドライヤーの前と後、どちらもヘアオイルを使用してみてください。
まずシャンプー後、しっかりタオルドライします。その後、適量のヘアオイルを髪の中間~毛先になじませましょう。このとき、髪の表面になんとなくつけるのではなく、髪の内部に「押し入れる」イメージで優しく揉み込んで塗布します。
オイルの量は、ショートヘアで1滴、ミディアムで2滴、ロングで3滴を目安に加減します。量が多いと乾きにくくなるだけでなく、仕上がりもベタッとしてしまいますから注意してください。
ここまでのステップは、髪に栄養を与えて保湿することが目的です。シャンプー後のドライヤーで、髪のパサつきやゴワつきに悩む人は、ぜひ今日からトライしてみましょう。
次に、ドライ後のオイルケアです。きれいにブローした後、オイルを1~2滴なじませます。これは髪の表面にツヤを与えるのが目的。いわばフィニッシュ剤です。このプロセスによって、表面に浮くアホ毛や毛先のバラつきが解消され、1本1本がスルンとなめらかな仕上がりになります。
夜にヘアオイルをなじませておけば、朝のスタイリング時間も半減するほどその効果は絶大です。
このように、髪の濡れた状態と乾いた状態の計2回、毛髪をオイルでサンドするのが、乾燥や広がりを解決する近道。ただし、トップの根元にヘアオイルがべったりつくと、髪が立ち上がらずにペタンとボリュームがなくなってしまいます。
細毛やネコ毛といった髪質の人は、根元に塗布しないように気をつけましょう。
一度で実感! オイルパックで髪のボリュームアップ
髪にうるおいやツヤを与えるヘアオイルですが、一方で、立ち上がりの弱い髪にボリュームを与える使い方もあります。
「根元につけるのはNGなのでは?」と疑問に思った方、確かにシャンプー後は髪の中間~毛先に使用するのが一般的です。ボリュームアップを狙うには、シャンプー前の「乾いた頭皮」に使う「オイルパック」が功を奏します。
まず、乾いた髪の頭皮にヘアオイル(目安は10mlを加減)をたっぷりなじませます。優しく頭皮をマッサージしながら、頭全体にまんべんなく行き渡らせたら、そのままラップやタオルで髪をくるんで、15分~30分放置します。
その後、頭皮をシャワーでしっかりすすぎ、いつものように洗髪します。ドライ後、髪の根元がパンッと立ち上がり、自然なボリュームが復活するのを実感できると思います。
じつは、ボリュームの出にくい髪の場合、加齢による髪の弱体化だけでなく、頭皮にこびりついた脂汚れのせいで根元が潰れぎみなケースが少なくありません。オイルパックは栄養補給だけでなく、落ちにくい頭皮の汚れをスルンとはがす作用に優れています。頭皮を大掃除すれば、髪の根元も立ち上がりやすくなるというわけです。
オイルパックは、一度でその効果を実感できるはず。ボリューム不足に悩む方はもちろん、頭部の臭い、脂汚れが気になる人は、週に1回、オイルクレンジングとして取り入れてみましょう。
オトナ世代の髪と頭皮をねぎらうヘアオイル。賢く活用すれば、リッチな見た目と手触りを実現し、アンチエイジング効果も大いに期待できます。乾燥シーズンは、髪の静電気対策にもなり、一石二鳥。コスパに優れた必須アイテムとして、手元にひとつオススメします。
(文=小澤佐知子)
小澤佐知子(おざわ さちこ)
美容ライター。小学館や学研で外部編集者を経験した後、出産を機にフリーランスに転身。以後、美容ライターとして計50誌以上で取材・執筆を行う。
現在はヘアケア・ヘアデザインなど「髪」に関する記事の企画・構成・取材を中心に活動。雑誌や書籍以外にWebサイトでコラムやインタビューの連載を持つ。東京都内のヘアサロンの「ビジュアル監修アドバイザー」として非常勤役員も務める。