双極性障害や躁病のリスクを低減する食事の研究に
ただし、今回の研究は、加工肉に含まれる「硝酸塩」が躁病の原因であることを証明したものではない。Yolken氏らも「たまに加工肉を食べる程度であれば、ほとんどの人では躁病エピソードが引き起こされることはないだろう」と話している。
ただし、同氏らは、今後さらなる研究でこの関連性について検証する必要があると強調。「研究を重ねれば将来、双極性障害患者や躁病リスクが高い人において躁病エピソードのリスクを低減する食事介入を行えるようになるかもしれない」と期待を寄せている。
今回、ラットの実験を担当した同大学精神科・行動科学のSeva Khambadkone氏は「双極性障害とそれに関連する躁病エピソードの発症や重症度には、遺伝的な脆弱性と環境要因の両方が関与していると考えられており、躁病は複雑な精神状態だ」と説明している。
その上で、「われわれの研究では、硝酸塩が添加された加工肉は躁病の発症に環境要因の一つとして関与している可能性が示された」と結論づけている。
なお、同氏らによれば、硝酸塩はこれまでに一部のがんや神経変性疾患と関連する可能性が報告されているという。
(文=編集部)