「蛍の光」を歌って聴いて涙を流せば、ストレスを解消させる。落涙しながら感じる感動と歓喜の報酬系効果は、およそ20万年前のホモ・サピエンスが獲得した生物学的DNAや脳神経化学的基質に根ざしているのかもしれない。
「涙は感情によって生じた化学物質を体外へと発散する」と論証した生化学者のウィリアム・フレイ。「音楽は涙と記憶に最も近い芸術だ」と感激したオスカー・ワイルド。一方、脳科学者の茂木健一郎氏は「脳の働きを変える一番いい方法は感動。感動は、人間を変える劇薬」（『脳が変わる生き方』）と書いている。
βエンドルフィンやドーパミンが放出されるたびに、感動と歓喜の涙が、あの日の卒業式で歌った「蛍の光」の記憶を鮮明に再生してくれる。さあ、「蛍の光」を歌おう！
（文＝編集部）
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