毎日「“さすべえ”は大丈夫か?」と問い合わせ
全国の警察には、改正道交法施行に伴う罰則化直後に自転車利用者からの疑問や問い合わせが殺到した。その多くは、操行時の「片耳イヤホン」や「スマホ通話」の是非。
一方、“ワーストワン”大阪の利用者からの相談には、この2件に加えて「“さすべえ”は大丈夫か?」との質問が1日平均4~5件は寄せられたという。
その商品名は初耳でも「もしやアレの事?」と脳裡に絵柄が浮かんだ方は大正解。そう、ママチャリのハンドルに固定されているアーム状のおなじみ装置だ。
「控えて」と言われても止められない!?
かの傘スタンドが“大阪名物”であることは、現地の駐輪場を一瞥すれば歴然。事実、製造会社も正確な数字は把握していないものの「販売先の半分は大阪だろう」と明かしている。
それほど愛用されている傘スタンドも「視界を防げる」という理由から危険行為(に問われる可能性)の対象範囲、大阪府警も「使用を控えてほしい」と啓蒙している。
その効果は、施行を機に大阪・梅田の雑貨店では、昨年6月のレインウエア売り上げが約2.8倍増。某百貨店でも同月の前年比で約1.4倍伸びたという数字が物語った。
だが、長年愛用の生活必需品「さすべえ」をそう簡単には止めらるはずなく、いまだ愛用者は多い。規定上の幅や高さ、不安定さを生むとされる重量に関しては「違反に当たらない」とする販売側と、「控えてほしい」と啓蒙する側の齟齬は否めない。
その一方で、新たな“商品”の市場が開拓されている。セブンイレブンやローソンに次いで、今月からはファミリーマートでも自転車保険の店舗内販売を開始したのだ。
“さずべえ”並に大阪で保険加入者が増え、現行の14項目が周知徹底されるのははたして何年後なのだろうか?
(文=編集部)