飲酒がケガの治りを遅くする!?
ハイヒールを履くことによるデメリットには、爪先への負担が中足骨症と呼ばれる足指のケガにつながることもある。爪先が曲がる「ハンマートゥ」になる可能性も高くなる。また、腰部や足周りに悪影響があるということは、膝やふくらはぎにも影響を与える。
そこに飲酒した状態が加われば、バランス感覚が著しく低下して、転倒のリスクがアップすることはご理解いただけるはずだ。
おまけに飲酒という要素は、アルコールによって血流をアップさせ、捻挫やケガを治りづらくして事態を余計に悪化させる。血行がよくなっていると止血を妨げて、腫れを助長してしまうのだ。
出血が止まりづらくなる
「腫れ」という状態は、ケガした部位に血が集まった結果である。お酒を飲んでいればケガによって、いつもより早く腫れたり、重症化するケースが多い。また、転倒した場合に出血すると、血が止まりづらくなる。
まさに「ハイヒール」と「飲酒」は、女性ならではのリスキーなという組み合わせといえよう。最近では、ヒールの高い男性用の靴もあるから女性限定とは言えないかもしれないが。
とはいえ、ハイヒールや見栄えのよいパンプスを“捨てる”のは難しいはずだ。いずれにしても、長時間の使用を避けつつ、トラブル後には迅速なアイシングと患部を安静にするという基本処置だけは覚えておこう。
(文=編集部、監修=三木貴弘)
三木貴弘(みき・たかひろ)
理学療法士。日本で理学療法士として勤務した後、豪・Curtin大学に留学。オーストラリアで最新の医療、理学療法を学ぶ。2014年に帰国し、現在は東京都で理学療法士として医療機関に勤務。その傍ら、一般の人に対しても正しい医療知識をわかりやすく伝えるために執筆活動にも力を入れている。執筆依頼は、”Contact.mikitaka@gmail.com”まで。