HRCは、2016年から調査の対象地域を世界に広げる。その洗礼を日本の企業も受ける。HRCのLGBT格付けがグローバル・スタンダードになればどうなるだろう? 世界には、LGBTを宗教的な教義や慣習を理由に公然と差別し、迫害している国々が少なくない。
だが、欧米の先進諸国や日本などの民主主義や自由主義を御旗に掲げる諸国はもちろん、国内の自治体や企業も、LGBTへの人権尊重や支援に向かうのは避けられない時代の潮流だ。
LGBTにどう向き合うか? それは、人権尊重のリトマス紙だ。今まさにグローバル・スタンダードへの対応が、企業の究極のミッションになる時代を迎えている。渋谷区で産声を上げた同性パートナーシップ条例は、企業の使命感や社会的な貢献性への強い問いかけでもある。
佐藤博(さとう・ひろし)
大阪生まれ・育ちのジャーナリスト、プランナー、コピーライター、ルポライター、コラムニスト、翻訳者。同志社大学法学部法律学科卒業後、広告エージェンシー、広告企画プロダクションに勤務。1983年にダジュール・コーポレーションを設立。マーケティング・広告・出版・編集・広報に軸足をおき、起業家、経営者、各界の著名人、市井の市民をインタビューしながら、全国で取材活動中。医療従事者、セラピストなどの取材、エビデンスに基づいたデータ・学術論文の調査・研究・翻訳にも積極的に携わっている。