IQOS(アイコス)の全米販売が許可されない理由 加熱式タバコの室内汚染に注意

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「IQOS(アイコス)」が全米販売されない理由

 加熱式タバコについて、米国の政府機関であるFDA(アメリカ食品医薬品局:Food and Drug Administration)委員会は次のような見解を出している。

FDAは「リスクが低減されたとは認められない」

 灰も煙も出ないから「周囲の空気を汚さない」ので「室内や車内でも使用できる」し、何よりも「有害成分を90%削減」した――加熱式タバコを販売する大手メーカーが異口同音で謳う利点だが、その代表格である「IQOS(アイコス)」の全米販売が許可されないのは、このFDAの簡潔な見解にあるのだ。

 くだんの兵庫県も「現時点で健康被害の恐れがないとの証明がなされていない」との立場を取るが、飯島氏は<これは「悪魔の証明」と呼ばれるもの><「健康被害の恐れがない」との証明などができるはずがない>と、コラム終盤でも吠えている。

 一方で“たばこの煙のない五輪”を目指して成立・公布された改正健康増進法だが、加熱式タバコは「当該たばこから発生した煙が他人の健康を損なうおそれがあることが明らかでないたばことして厚生労働大臣が指定するもの」とされ、「骨抜き」と揶揄されている。現・当該大臣の根本匠氏は「自民党たばこ議員連盟」所属――というのはうがった見方だろうか。

 この健康被害をめぐるFDAと厚労省との日米格差が、昨年の加熱式タバコ利用者540万人(=世界の98%を占める)という日本人のガラパゴス化を生んでいるのは明確だろう。

屋内の全面禁煙で入院数が最大約4割減少

 はたして、飯島氏が熱弁をふるうとおり、加熱式タバコの健康被害は「悪魔の証明」ゆえ「できるはずはない」のだろうか。

 昨年末に開かれた厚労省の「第11回 たばこの健康影響評価専門委員会」では、専用喫煙室の基準を巡り、次のような実験結果が報告された。

 「加熱タバコからは煙が出ないので」専用喫煙室の出入口の気流基準を(従来の喫煙室の基準=内向きの気流0.2m/sよりも)「緩めるべき」とする主張に対し、産業医科大学内の模擬喫煙室における比較実験で「従来の0.2m/sでは禁煙区域に漏れるガス状物質濃度が上昇し、0.1m/sでも漏れが顕著になった」との結果が呈示されたのだ。

 実験を主導した同大・産業生態科学研究所/健康開発科学研究室の大和浩教授は、こう戒める。

<世界で55カ国が、飲食店を含めて例外なき全面禁煙を実施している。法規制後も総じて営業収入には影響していない。屋内を全面禁煙化した国では、心筋梗塞・脳卒中・気管支喘息による国民の入院数が最大で39%減少しています>

<たしかに加熱式タバコは、紙タバコのようなタールの微小粒子状物質(PM2.5)は発生しないが、有害なミストが発生し、気体に変化することで室内汚染が起きる。やはり規制対象にするべきなのです>

 加熱式タバコ、電子タバコを巡っては今後も議論が続きそうだが、東京オリンピックは約1年後。はたして“たばこの煙のない五輪”は実現できるのだろうか。
(文=編集部)

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