ロキソニンを飲んでのスポーツは危険! 米心臓病協会が運動後の副作用リスクを指摘

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

運動直前や運動中に、ロキソニンなどのNSAIDsを服用するのは極めて危険

 『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル』(2013年)によれば、3913人のランナーの49%がレース前にNSAIDsを服用したと回答。服用後の状況を分析したところ、消化器の痙攣、心臓血管系障害、消化管出血、血尿などの副作用が見られた(Consumption of analgesics before a marathon and the incidence of cardiovascular, gastrointestinal and renal problems: a cohort study. BMJ Open 2013;3:e002090 doi:10.1136/bmjopen-2012-002090 )。

 また、アメリカ心臓病協会(AHA)とNSAIDs適正使用団体は、NSAIDsの過剰服用によって、腎臓の血管閉塞、心臓や脳の血栓、心筋梗塞、脳血管障害、胃、小腸、大腸の炎症、出血、潰瘍、穿孔が起きる高リスクを指摘した。

 NSAIDsは抗炎作用が強いので、骨の治癒を遅らせ、タンパク質の合成を減少させるだけでなく、運動後には骨格筋の衛星細胞(筋肉を作り、筋肉を修復する細胞)を阻害し、免疫力を弱めるとされる。

 近年、このようなNSAIDsの副作用の解明が進んでいる――。
 
 NSAIDsは、シクロオキシゲナーゼ(COX/全身に存在するCOX-1と炎症部位に存在するCOX-2)の働きを阻害し、プロスタグランジン(PG)やトロンボキサンA2(TXA2)の分泌を抑制するため、鎮痛・抗炎作用を示すことから、COX-2だけを阻害するCOX-2阻害剤のセレコキシブが開発された。

 ただ、NSAIDsは本来、激しいスポーツの最中に使うことを想定して開発されていない。たとえば、フルマラソンなら、走行中は多量の血液が脚に流れ、腎臓への血流が減少するので、NSAIDsによって腎臓の血流が抑えられると血尿に陥り、危険な状態になる。胃潰瘍の人なら、NSAIDsによって胃への血流が滞ると、胃の粘膜から出血する可能性場がある

ストレッチや走り方の工夫で痛みを乗り切ろう

 運合前や運動中の痛み対策は、あるだろうか?

 マラソンでなくても、ジョギングでも走り続ければ、脚のどこかにストレスがかかれば、血流れが悪くなるため、痛みを感じる。そんな時は、その場でしっかりストレッチすれば、改善する場合が多い。

 また、走り方の工夫も大切。普段から体の1カ所にストレスをかけないように、ランニングフォームを改善し、いろいろな走り方を試しながら、体幹と脚全体を上手に使って走る工夫を重ねるのが賢明だ。

 ランニング後に起きる頭痛の原因は、元々持っている基礎疾患をはじめ、肩こり、水分過剰による水中毒(低ナトリウム血症)、水分不足による脱水・めまい・ふらつき・吐き気、低血糖、コーヒーの過剰摂取など複合的な要因が絡むので要注意だ。

 ランニングであれ激しい運動であれ、それなりの苦痛と疲労が伴い、一方では幸福感や達成感も得ることができる。快感の歓びを知らしめるために苦痛が与えられたのか? 苦痛を和らげるために鎮痛薬が授けられたのか? 苦痛と鎮痛の押し問答は今日も続いている。
(文=編集部)

処女と童貞で結婚、一度もセックスができない<未完成婚>の原因は……
インタビュー「『射精障害』での不妊が増えている」第2回:岡田弘医師(獨協医科大学埼玉医療センター・泌尿器科主任教授)

「非婚化」「晩婚化」と並び、結婚した夫婦の間でも子どもができなくなっていることが、人口減少の一因であることは論をまたない。獨協医科大学埼玉医療センターの泌尿器科主任教授・岡田弘氏の診察室には、男性が原因で不妊となっている夫婦が数多く訪れる。なかでも近年、急速に増えているのが、挿入はできるが女性の中で射精できない「膣内射精障害」だという。

Doctors Select

精神保健福祉士。フリージャーナリスト。1977年…

里中高志

大阪市内のクリニック勤務。1987年 産業医科大…

吉田尚弘

小笠原クリニック札幌病院腎臓内科。日本中毒学会認…

横山隆