史上最悪のチェルノブイリ原発事故から30年~福島では放射能汚染問題は収束したのか?

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全国の医療機関で無料で診療が受けられるように

 こうした現状を維持して生活していくとどうなるのだろうか。

 「低線量被ばくの影響は10年、20年、30年という単位で現れる。原爆被災者が50年たって骨髄線維症になった。白血病にならない人は、そうした晩期の障害が発生している。福島でもそういうことが想定される。がんというのは健康障害の一部。慢性疾患が増えるでしょう。しかし、今すぐ症状や異常が現われるわけではないから、判断が難しいし、政府もごまかせる」

 長期的な健康への影響について、どう考えるべきか? 

 4月16日、福島第一原発事故で被ばくした住民、原発や除染の作業員らが無料で診療や健診を受けられるよう国に求める「福島に被ばく者手帳を作る会」が発足した。原発事故被災者であることを証明する手帳を提示すれば、全国どこの医療機関でも無料で診療が受けられるというものだ。

 同会は「低線量被ばくの健康影響についてはまだよくわかっていない」として、原発事故の被災者にも原爆被爆者と同じように国による医療保障や手帳の交付が必要だと訴える。

 チェルノブイリ原発事故から30年、福島第一原発事故から5年――。今後も健康への影響について、我々は長期的な視点での議論、考察を続ける必要がある。
(文=編集部)

【参考図書】
『がんセンター院長が語る 放射線健康障害の真実』(旬報社)西尾正道
『がん患者3万人と向き合った医師が語る正直ながんのはなし 賢く生きるために知っておきたい放射線の光と影 』(旬報社)西尾正道

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