医療・介護の現場でメイクやマッサージをするソシオエステティックが普及するための鍵は、患者からの声

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心に寄り添うエステティックの可能性は?shutterstock.com

あなたはソシオエステティックという言葉をご存知だろうか?
 それは、人道的・福祉的観点から精神的・肉体的・社会的な困難を抱えている方に対し、医療や福祉の知識に基づいて行う、総合的なエステティックである。ソシオエステティックの目的は「QOLの向上」であり、「美」の追求や肌機能の改善、リラクゼーションの提供などは手段の一つでしかない。心の安らぎを回復する、自信を取り戻す、不安を軽減する、笑顔を取り戻す、人生に対しての希望を取り戻すことが目標である。

 ソシオエステティックはフランスで一人の女性の熱い思いから始まった。フランス・トゥールにおいてエステティシャンであったルネ・ルジエール女史は、エステティックが決して表面だけを美しくするものではなく、心の奥まで入り込み、悲しみや悩みから救うことができると経験を通してつかみ取った。ルジエール女史の思いは日本にも届き、現在日本では65名のソシオエステティシャンが誕生している。

 10年前、当時看護師として大学病院の耳鼻咽喉科病棟に勤務していた私は、手術や化学療法、放射線治療によるボディイメージの変化に戸惑う患者を目の当たりにし、自分に何ができるのかと模索していた。その時に知ったフランスでのソシオエステティシャンの活動をきっかけにフランスへ渡り、エステティシャンとなった。その後、今後ソシオエステティシャンの活躍の場になるであろうホスピスにおいて緩和ケアに従事し、現在はデイサービスにおいて看護師として勤務しながら、ソシオエステティシャンとしての活動を行っている。

利用者の喪失や悲嘆、孤独などに寄り添う

 ソシオエステティックでは実際にどんなことをするのだろう、と思われた方もいるかもしれない。ソシオエステティシャンは、フェイシャルマッサージ、メイクアップ、ネイル、手や足のマッサージを行ったり、ワークショップを開催して社会復帰の手助けをするなど、ソシオエステティックを受けられる方の身体・心理状態に十分配慮しながら美しさを取り戻すサポートをしている。

 デイサービスでのソシオエステティックの日。この日を待ちわびていた利用者が私に声をかけてくれる。

「明日お客様が来るから爪を綺麗にしてもらいたい」「90歳の私でも、お化粧して大丈夫?」「今日も足のマッサージをお願いね。足が軽くなって妻も私もとても喜んでいるんだ」と、女性だけでなく男性からのリクエストも多く、それぞれのご要望に合った施術を行っている。施術はすべて無料であり、利用者の負担はない。ある女性は、骨折をきっかけに家から全く出なくなってしまったが、ソシオエステティシャンの施術を毎回受けることで、毎日が楽しいと口にし、家族を驚かせた。女性としていつまでも美しくありたいという思いが、この女性の行動変容につながったのである。

「こんなに優しく触れられたのは初めてです」、という感想をいただくこともある。エステの施術だけでなく、喪失や悲嘆、孤独など、言葉には出せない思いにそっと寄り添うこともソシオエステティシャンの重要な役割である。

トップアスリートは実はインソールを愛用していた!パフォーマンス向上に貢献
インタビュー「インソールで健康増進&機能アップ」第3回 日本フットケアサービス㈱代表取締役社長 大平吉夫

足の形は普段履いている靴や生活習慣の影響を受けるが、顔と同じように、生まれつき決まっている部分も大きい。一人ひとりで異なる足の個性に合わせて靴を選び、インソール(靴の中敷き)を使うことで、日常生活を支障なく過ごせるだけでなく、自分の能力を最大限に発揮させることができそうだ。人の目にさらされる機会がほとんどない、地味な存在のインソールだが、実に多様な機能を発揮しているようだ。義肢装具士の大平吉夫さんに詳しく聞いた。
第1回「インソールで体調が改善、疲れにくく生活が楽になる!運動も楽しめる!」
第2回「外反母趾や足裏のつらい痛みに「ゆったり靴」はNG!自分の足の個性に合う靴選びを」

Doctors marche アンダカシー
Doctors marche

理学療法士。日本で数年勤務した後、豪・Curti…

三木貴弘

神戸市垂水区 名谷病院 内科勤務。1987年 産…

吉田尚弘

小笠原記念札幌病院腎臓内科。日本中毒学会認定クリ…

横山隆