DNA鑑定秘話 第1回

O.J.シンプソン事件の真犯人は誰?DNA鑑定の結果は

この記事のキーワード : 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 結果、1995年10月3日、陪審員12人は全員一致でシンプソン無罪を評決した。

 1996年10月23日、ニコールとゴールドマンの遺族が慰謝料請求の民事裁判を提起。1997年3月10日、シンプソンに850万ドルの補償賠償支払命令と2500万ドルの懲罰賠償支払命令。家財道具が差し押さえられる。

 刑事裁判と民事裁判の違いは、立証責任の有無だ。刑事裁判は検察が有罪を100 %証明しなければならない。民事裁判は有利な証拠を握ったほうが勝つ。さらに陪審員制度は、刑事裁判では全員一致で評決するが、民事裁判では多数決で結審する。血にまみれた猟奇事件は、陪審員の人種のバイアスによって評決される陪審員制度の正義を問う事件でもあった。

 DNA鑑定の結果は、シンプソンのクロを指し示す。DNA鑑定が精確でも、現場の捜査・証拠の採取が警察による偽装なら、公正な判断は不可能だ。ただ、多数の証拠を一部の警官だけが偽装したとは考えにくい。最先端のDNA鑑定も、人種問題の前では無力なのだろうか。
(文=佐藤博)

佐藤博(さとう・ひろし)
大阪生まれ・育ちのジャーナリスト、プランナー、コピーライター、ルポライター、コラムニスト、翻訳者。同志社大学法学部法律学科卒業後、広告エージェンシー、広告企画プロダクションに勤務。1983年にダジュール・コーポレーションを設立。マーケティング・広告・出版・編集・広報に軸足をおき、起業家、経営者、各界の著名人、市井の市民をインタビューしながら、全国で取材活動中。医療従事者、セラピストなどの取材、エビデンスに基づいたデータ・学術論文の調査・研究・翻訳にも積極的に携わっている。

シリーズ「DNA鑑定秘話」バックナンバー

血糖値を手軽に<見える化>~パン・肉まん・カレーライスを食べると血糖値が……
インタビュー「血糖値を上手にコントロールする年末年始の過ごし方」後編:角田圭子医師(駅前つのだクリニック院長)

これから増えるのが忘年会や新年会といった宴会。糖尿病予備軍の人も、そうでない人も、血糖値と体重が気になるのではないだろうか。血糖値をコントロールしながら年末年始を楽しく過ごすコツを、糖尿病外来を中心とした内科クリニックである「駅前つのだクリニック」の角田圭子院長に、2 回にわたって訊いた。今回はその後編をお届けする。

Doctors Select

近畿大学理工学部生命科学科ゲノム情報神経学准教授…

西郷和真

小笠原クリニック札幌病院腎臓内科。日本中毒学会認…

横山隆

フリージャーナリスト。1949年、東京都生れ。法…

郡司和夫