貯金が生死を分ける!? 保険は当てにならない「がん≠致死の病」時代

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●必要なのは生活費。だから保険より貯金

 

 保険金の多くは、治療費や入院費などにかかった費用の補償が中心である。治療費や入院費に目を奪われ、そこが補償されたら安心だと思いがちだが、実はがんの医療費はさほど多くない。健康保険などの公的医療保険を使うと、おおむね3割負担で済む。主だったがんの治療費を見てみると、たとえば結腸がんで平均入院日数が19.9日、治療費は3割負担で約28万円、乳がんの平均入院日数は12.2日で治療費は約18万円。意外に安い。とは言っても、これは入院や手術にかかる費用の話で、最近のがんでは外来治療が中心。それもこれも合わせても50万円から100万円ていど。そして高額になった場合には、高額療養費制度により、一定額以上は支払わなくて済む。

 実際にがんにかかった人にとって、治療費よりも負担になってくるのは収入の減少だ。働かなければ収入がなくなる自営業はもちろん、勤め人であっても、入院のために長期に渡って会社を休んだり、通院のために頻繁に休みを取ったりすれば、給与が減る。さらに会社の規模によっては、肩たたきされ、仕事を続けられなくなることも少なくない。治療すれば治療費は保険が出たとしても、生活費が足りなくなるからと仕事を休めなければ、そもそも治療が続けられない。そこに気づいた人が増えてきて、最近は収入保障のがん保険も登場したが、既存のがん保険には収入保障はない。

 主婦なら通院時こどもを預けたりするためにかかる費用、治療による疲労で家事ができずに外食したり、家事代行サービスを頼んだりする費用もかかる。これらは収入保障の保険でも支払ってもらえない。

 保険は支払いにあたってさまざまな条件がつく。支払ってもらえるとしても、手続して振り込まれるまでに時間がかかる。

 がんにかかったときに頼れるのは貯金。支払条件を気にする必要もなく、何にでも使えるお金が一番頼りになる。保険にばかり目をやらず、まずはあるていど貯金をしておくことが大事。貯金をして、なお余裕があるときに保険...と考えたほうがいい。

(文=編集部)

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