たんぱく加水分解物に関する記事まとめ

 肉・魚類などの「動物性原料」または大豆・小麦・グルテンなどの「植物性原料」のたんぱく質を加水分解して作られたアミノ酸を主成分とするうまみ調味料のこと。

 大豆・とうもろこし・小麦などの植物性たんぱくから作られる液体のたんぱく加水分解物を「アミノ酸液」と呼んでいるが、そのアミノ酸液に加工でんぷんを加えて粉末にしたものと考えてもよい。アミノ酸液は食品の「うまみのもと」となる。単純に分解加工・製造されるため、「食品添加物」ではなく「食品」として扱われる。醤油をはじめとして広く加工食品の調味に使用されている。
 
 加水分解とは、塩酸やアルカリの水溶液で分解するという化学用語。一般的には、塩酸でたんぱく質をアミノ酸液に分解する。塩酸は毒劇物だが、添加物として認められている。加水分解されたあと、塩酸はカセイソーダで中和され、水と塩となり、分解される。塩酸とカセイソーダは最終食品には残らないので「加工助剤」として表示の必要はない。
 
 植物性は主に和風の味、動物性は洋風や中華風のコクのある味に利用される。このときに使用する大豆は、油をしぼった脂加工大豆など。鳥の羽を原料に用いるメーカーもある。非常に異臭が強いが、舐めるとスナック菓子やラーメンなど身近なうまみ味である。
 
 また、たんぱく加水分解質を作る際、たんぱく質の分解に塩酸を使うことで、クロロプロパノール類(MCPD、DCP)という塩素化合物が発生する。このクロロプロパノール類に、1990年代、発がん性があるのではないかという疑いがかけられたことがある。この件に関しては、FAO/WHO合同食品添加物専門家委員会(FAO/WHO Joint Expert Committee on Food Additives :JECFA)が2001年と2006年に評価を行い、MCPDについては発がん性が認められないが、ラットを使った実験で腎臓に影響があることがわかった。また、DCPについては人への懸念は少ないものの、発がん性ありと認められた。
 
 これを受けて食品規格委員会(CODEX)により、MCPDの最大基準値が設けられた。ただし、日本では正式な規制はない。生協をはじめとして、業界では自主的な残留基準を設けているものの、その値はEUや米国に比べて非常に高いものとなっており、あまいと言わざるを得ない。
 
 現実、2009年、MCPDが検出されたため、欧州食品安全機関が日本の醤油を回収し、輸入禁止をするという措置がとられた。アミノ酸液とたんぱく質分解物質は主に中国、東南アジアで作られているが、純度の高い特急品はEU、一級品は米国、それ以下は基準のない日本へ輸出するような体制ができている。

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