食中毒の原因は、細菌性(汚染飲食物の摂取による、ブドウ球菌、サルモネラ菌、腸炎ビブリオおよびO157を含めた病原大腸菌感染)、ウイルス性(カキや二枚貝を生で食べることによる小型球形ウイルス感染)、化学物質性、自然毒性(毒キノコ、自家調理フグなど)に分類される。
食中毒というと、つい生の魚介類摂取を思いうかべますが、飲食物内で増殖・蓄積した細菌やウイルスを摂取する場合、感染した人から他人への細菌やウイルスの伝播、感染した人の排泄物から他人への細菌やウイルスの伝播など、さまざまな経路で食中毒は発生します。食中毒の原因は多岐にわたるということを決して忘れないで用心してください。
汚染された食物摂取後、数十分から数日の後、腹痛、下痢、嘔吐、発熱などの症状があらわれます。血便や粘液便、粘血便は重症の可能性があります。また、ぐったりして、普段話さないことを言ったりする場合は、食中毒による脳症状の可能性があります。これも重症なので注意してください。
下痢がひどい場合は、消化管の安静を保ち、脱水症状を改善するために点滴治療が必要です。また、細菌性の食中毒では、抗生物質を使用する場合もあります。重症化を防ぐためにも、少しでもおかしいと思った場合は、すぐに医療施設を受診することが必要です。
食中毒の20%は家庭内で発生しています。以下の6つのポイントを守り、家庭での食中毒の予防に役立ててください。
①肉、魚、野菜などの生鮮食品は新鮮なものを購入し、寄り道せず自宅へ持ち帰り保存しましょう。
②冷蔵や冷凍の必要な食品は、持ち帰ったらすぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れましょう。冷蔵庫や冷凍庫内の詰めすぎには注意しましょう。
③食品を取り扱う前、トイレの後には、必ず手指を洗い、流水でよく洗い流しましょう。調理者が気づかぬうちに感染していることもあります。手洗いにより食品への汚染を防ぐことができます。
④台所は常に清潔に保ちましょう。清潔な台所とは、ゴミが捨ててあり、清潔なタオルやふきんがあり、せっけんがあり、調理台の上がかたづけて広く使えるようになっていることです。
⑤十分に加熱しましょう。加熱を十分に行うことにより、もし食中毒菌がいたとしても殺すことができます。
⑥食事の前に手を洗いましょう。
食中毒の予防には、清潔で衛生的なことが大切です。いままでに述べた予防のポイントをきちんと行い、家庭から食中毒をなくしましょう。
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