白癬菌というカビが起こす皮膚病です。このカビは、皮膚の一番外側にある角質層というところで症状を引き起こします。最も多いのが足の指などにみられる足白癬で、一般的に「水虫」と呼ばれるものです。このほか頭、体、手、爪、股などにも病気は起こります。
白癬菌が皮膚についても、洗ったり、こすったりして剥がれれば、病気にはなりません。ある一定時間以上温かく湿ったところで増殖することによって、白癬菌は初めて症状を引き起こすからです。
たとえば水虫(足白癬)の場合は、足の指を高温多湿の状態に長くさらしてしまうような人(安全靴や長靴を長時間はいて仕事をする人たちなど)は要注意です。なかでも足の指が太く、指と指がくっついているタイプの足は水虫が多いといわれています。
そして「昔軍人、今OL」と例えられるように、若い女性にも水虫が増えており、決して「おじさんの病気」ではありません。流行のペディキュアをしようとして気づき、皮膚科を受診して「爪の水虫です」と、診断されることも珍しくないのです。
症状は大きく分けて3つのタイプがあります。
①趾間型:指と指の間がジクジクして白くふやけたようになるタイプ
②小水疱型:足の裏や周りに水疱(水がたまった状態)ができるタイプ
③角質増殖型:足の裏全体の皮膚が厚くなるタイプ
趾間型、小水疱型はかゆみを伴うことが多く、水虫であることを自覚している人が多い。角質増殖型はそれと気づかずに放置されることが多いようです。
しかし、このタイプが最も重症でこれを放っておくと、カビ(白癬菌)は爪の中にまで侵入し、爪が濁って厚くなる爪白癬になります。爪白癬も見逃されることが多く、知らないうちに家族にうつしてしまうこともあります。
さらに、そのまま放っておかれた爪は分厚くなり、変形して見た目に美しくないだけではなく、歩くときに痛みを伴ったりもします。
一般的に水虫はまず片側の足から始まることが多いといわれており、左右同時に起こった場合は「汗疱状湿疹」と呼ばれる湿疹の1種類だったり、「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)」という別の病気のこともあります。
皮膚や爪の一部を採集して白癬菌がいるかどうかを調べます。水疱の一部や剥けている皮膚の一部、爪の濁って厚くなっているところをハサミやメスで切り取って、薬品で溶かし、顕微鏡で直接見つけます。通常、この検査は皮膚科の専門医でなければ行いません。このような検査をしないで水虫の診断をされた場合は、水虫ではない可能性もあります。
しかし、検査をしてもその部分に白癬菌がいなかったり、診察の前に水虫の薬を塗っていると、白癬菌が見つからないこともあります。
水虫の治療法は塗り薬。そして、その基本はクリームです。患者さんの多くはべとつくのがいやだといって液体やスプレー式を好まれるようですが、かぶれなどの副作用や効果を比較すると、クリームタイプをおすすめします。
最近では、塗り薬も1日1回の使用で十分な効果を期待できるようになりました。症状がみられなくなるまでは毎日、さらに症状が消えてもしばらくは塗りつづけることがポイントです。入浴後、あるいは足を洗ってから塗ると、より一層効きます。
なお、水虫の塗り薬では、ときどきかぶれることがあるので塗ってもよくならない、あるいは赤くなったり、かゆみが出るようならば皮膚科専門医を受診してください。とくに市販薬は要注意です。また、いろいろな民間療法はかえって症状を悪化させることが多いので、おすすめしません。
ほとんどの水虫は、塗り薬を使うことで良くなりますが、角質増殖型の水虫と爪の水虫は飲み薬が必要です。とくに爪の水虫は塗り薬で完治させることは困難です。
また、爪に水虫がいると、足の水虫を治すために薬を塗っても爪にいる白癬菌が邪魔をして効果的な治療ができません。最近では、半年間くらい1日1回飲み続けると治せる薬があります。
短い期間で確実な効果をあげるこれらの薬は爪水虫を本気で治そうと考えている人にはとても良い薬だと思います。服用にあたって皮膚科専門医は、あらかじめ肝機能障害や腎機能障害がないことを血液検査で確認します。爪が生えかわるまでの一定の期間、内服しなければならないので、定期的に血液検査を行い、肝機能異常がないことを確認しながら薬を飲んでもらいます。さらに、これらの薬には一緒に飲めない薬や、一緒に飲むときに注意しなければいけない薬があるので、現在、服用されている薬は、すべてチェックします。
いずれにせよ「水虫かな?」と思ったら、素人判断せずに皮膚科専門医を受診し、検査を受けて正しい診断のもとに、適切で最もよく効く薬を手に入れましょう。
市販薬には内服薬はありませんし、塗り薬も病院でもらう薬のほうが新しくて、よく効きます。
水虫の原因はカビです。増殖しないように足をきれいにすること、足の指と指の間まで、ていねいに洗うことです。毎日、靴をはく人は同じ靴を続けてはかない、なるべく靴の中を乾燥させること。つまり、大切なのは「清潔」と「乾燥」です。
また、家族のなかで水虫の人がいたら、バスマットやスリッパを一緒に使わないようにしましょう。さらに、畳やじゅうたんなどもまめに掃除します。
薬を塗っている人は、症状のない冬の間も塗っていたほうが予防になります。そして何よりも自分の足をよく観察して、水虫の兆候を見つけたら早めに受診することです。
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