慢性白血病は血液中の白血球数が著しく多くなる病気ですが、症状がほとんどない場合が多く、白血球の数も多いながら症状が安定している疾患です。白血球数が急速に増加してくるものは、急性白血病と考えられます。増えている白血球の種類により、慢性骨髄性白血病と慢性リンパ性白血病とに分けられます。
慢性骨髄性白血病は、幼弱な段階から成熟した段階までの各種の顆粒球系の細胞が増加している状態でこれを慢性期と称します。病状が進行すると移行期を経て急性期へと移行します。
急性期は、急性白血病と類似した病態となり、白血病細胞(芽球)が著しく増える半面、その他の血球成分は減少し、貧血や血小板減少が認められるようになります。
慢性骨髄性白血病では、ほとんど症状を認めないことがありますが、脾臓の腫大に伴い、左上腹部の膨満感や食欲不振を訴えることもあります。急性に転化すると、急性白血病と同様の症状が現れるばかりでなく、発熱や脾臓の腫大などを認めることもあります。
診断は、血液検査、血算と骨髄穿刺による骨髄検査が決め手となります。慢性骨髄性白血病の場合、顆粒球系の細胞の増加が血算、骨髄検査共に認められます。特徴的なのは骨髄の染色体検査でPh1染色体(フィラデルフィア染色体)が認められる点です。この染色体の異常は他には一部の急性リンパ性の白血病に認められるだけですから、非常に特異的な異常であり、診断に役立ちます。
急性に転化した慢性骨髄性白血病の場合は、その血算、骨髄検査共に急性白血病と同様の結果となり、Ph1染色体も認められます。
治療法には、大きく分けて抗ガン剤とインターフェロンと骨髄移植の3種類があります。一方、インターフェロンは注射薬であり、発熱や疲れ易くなるといった副作用があります。さらに、精神的に鬱になりやすい人にはその症状を悪化させる作用もあり注意が必要です。自分で連日、注射をする必要があり、かつ注射は一生続くものと考えねばなりません。
この治療法のみでも治癒したのではないかと考えられる症例もありますが、その薬のみで治るかどうかはまだ十分わかってはおりません。
骨髄移植は1960年代に検討され始めた治療法です。今はかなり一般的に行われるものです。HLAと呼ばれる組織型のあったドナー(提供者)から得られた骨髄を、患者に前処置を施した後、輸血と同様の操作で輸注します。
GVHD(移植片対宿主病)やウイルスの感染症あるいは肝臓、心臓の副作用等の危険性がありますが、慢性骨髄性白血病を治癒させる可能性の最も高い治療法です。
病気の原因は不明で、予防法は今のところありません。
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