監修:札幌中央病院内科グループ
動悸、息切れ、胸痛、発汗、振るえなどの症状を訴えるものの、心臓・血管系の器官に疾患がないものを「心臓神経症」と呼びます。不整脈や高血圧、甲状腺機能亢進症などの疾患は含まれません。症状の出現に自律神経系が関与していることが特徴です。
自律神経系のコントロールがうまくいかないときの症状で、自覚症状としては動悸、息切れ、胸痛、心臓がおどる、ドンドンとする、意識が遠くなる(失神様)、発汗、手足の振るえなどを訴えることが多い病気です。
自律神経的不安を訴えることが多いので、問診、血圧、脈拍、心臓の聴診所見、心電図所見などにより、緊急を要する疾患かどうかの判定を行います。とくに次の諸検査に異常がなく、心臓・血管系の疾患がないと証明されることが大事です。
○心電図検査
心電図とは、心臓が拍動しているときの心筋(心臓を形成している筋肉)の微量電気を、経時的な変化として、両手両足(肢誘導)と胸部の6ヵ所(胸部誘導)よりとらえ記録したものです。心電図所見より、各種の心疾患、心房負荷、心室の肥大、不整脈の診断が可能です。これら所見が正常なことが、心臓神経症の証明の1つになります。
○負荷心電図検査
2段の階段の上下歩行、トレッドミルと呼ばれるベルトコンベア上での歩行負荷、エルゴメータとよばれる自転車こぎの負荷検査などにより、虚血性心疾患のないことを証明します。
○ホルター心電図検査
24時間ないしはそれ以上の時間にわたり、心電図を連続して記録する検査のことで、不整脈の診断や虚血性心疾患の診断にきわめて有効な手段です。この検査結果も正常であることが必要です。
○胸部エックス線検査など
心臓の拡大や、肺の状態に異常のないことを証明します。
また、血圧・脈拍などの循環状態、心臓の超音波検査で異常がないかどうかを調べます。
○内科的治療
心血管系、呼吸器系、消化器系などの器官に異常(疾患)がないことが明らかにされたうえで心身医学的治療が開始されます。
●不安緊張型:心臓病などに対する不安や死んでしまうのではないかという恐怖を伴うことが多く、動悸、息切れ、めまいの訴えが主です。薬は抗不安薬が使用されます。
●抑うつ型:体の状態に何かしら不安を持っていて、倦怠感、意欲の低下、何か病気があるのではという不安を持って来院することが多い心臓神経症です。薬は抗うつ薬が使用されます。
●その他:ヒステリー、神経症などがあり、精神神経科とオーバーラップすることが多い心臓神経症です。
個人の性格や生活環境、人間関係のなかで起こる欲求不満や葛藤などによる心身に対する影響によって発症するので、日常生活のなかで、社会的、家庭的、人間関係的なストレスに対するきちんとした管理が必要となります。
十分な睡眠、余暇、趣味、運動などが予防につながります。
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