【病気の知識】

アルコール依存症

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どんな病気

 アルコール依存症の患者数は日本国内で80万人以上と言われますが、予備軍も含めると440万人にもなると推定されます。厚生労働省が推進する「健康日本21」によると、「節度ある適度な飲酒」は壮年男性の場合アルコール量換算で1日20g(ビール500ml、日本酒1合、35度の焼酎70ml、ワイン2杯程度)としています(女性はもう少し控えめがよい)。この3倍以上、つまり1日の飲酒量が平均60gを超えると「飲み過ぎ」です。「飲み過ぎ」が習慣化してからアルコール依存症になるまでの期間は男性で20年くらい、女性はその半分くらいと言われています。

 「飲み過ぎ」が続くと身体を悪くするだけでなく、酩酊時のトラブルが重なって人間関係を悪くし、仕事や生活に支障を来します。友人や家族との関係にも影響を及ぼし多くのものを失うことになりかねません。このように、アルコール依存症の問題は身近な人を巻き込む可能性があるのです。

どんな症状

 強い飲酒欲求とそれに基づくコントロールの効かない飲酒行動が認められます。以下の6項目のうち、3項目以上が当てはまればアルコール依存症の可能性が高いということになります。

①「飲みたい」あるいは「飲むこと」が頭から離れない
②飲み始めると止まらない
③わかっていてもやめられない
④だんだん酒量が増えた
⑤「飲む」理由は「ほかにすることがない」から
⑥酔いが醒めると離脱症状(いわゆる禁断症状のこと)が出るので、離脱症状を押さえるために飲む

 このうち①から⑤まではアルコールへの精神的な依存を示します。⑥はアルコールへの身体的な依存を示します。アルコールの離脱症状には、手のふるえ・大量の発汗・脈が早くなる・高血圧・吐き気・嘔吐・下痢・イライラ・不安感・幻覚・気分が滅入るなどがあります。

 依存症の症状のほか、肝疾患、膵炎、生活習慣病、消化器系のがん、神経障害などの身体疾患が慢性的なアルコール摂取により引き起こされます。外傷の原因にもなります。うつ病、不安障害、パニック障害などのこころの病が併存していることがあります。

 家族の中にアルコール依存症を持つ人がいると、病状や付随する問題行動のために家族は振り回され、クタクタになっています。一方で本人は自分の問題を軽く考えていることが多いのが特徴です。

どんな診断・検査

 診断には、前述の6項目の質問とそれらが飲酒に関連していることについての問診を行います。ただし、アルコール依存症の人は問題を軽くみがちなところがあるので、ご家族のお話もうかがわないといけない場合があります。自覚症状がなくても(ご本人が自覚症状を言わなくても)身体を悪くしている可能性があるので、血液検査などが必要です。
  

どんな治療法

 アルコール依存症の治療目標は「断酒」(「節酒」ではありません)です。次の3段階で進めていきます。

①解毒:身体とこころに起きている合併症および離脱症状に対する治療を行います。

②リハビリテーション:ご本人が、飲酒問題の現実認識と自覚をするとことから始まります。アルコール依存症について学んでいただきます。ご家族がアルコール依存症(の家族)について学ぶことも大切です。薬物療法には抗酒薬を用いる(飲酒すると気分が悪くなる薬を服用することによりアルコールを遠ざける)方法があります。

③アフターケア:「断酒」を続けるために、専門医療機関、抗酒薬、自助グループ(断酒会やアルコールアノニマスなど)の力を借りないといけません。ご家族に対するケアも必要になります。

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