痛みを取る方法は他にもある
日本でも今後、オピオイド系鎮痛薬の入手が簡単になれば、アメリカのように中毒者が増える可能性は十分にある。それを避けるためにはどうしたらよいだろうか。
一つは、慢性的に生じている疼痛への対処を<薬に頼らない>ことがあげられる。当サイトでも繰り返し紹介してきたが、「慢性疼痛」には、いくつもの有効な手段のエビデンスが世界中で報告されている。
たとえば、運動は慢性疼痛に対して一定の効果があることがわかっている。また、ヨガや瞑想も慢性疼痛には効果的である。それらには当然、副作用はない。
「痛みが強い」「長引いている」……薬が入手しやすい社会だからこそ、強い作用のある薬を飲み続ければ、アメリカのように「オピオイド中毒」が増え、日本人の健康は損なわれる危険性がある。医師や薬剤師のアドバイスをきちんと受け、適切な量の投薬と、投薬だけに頼らない痛みへの対策が必要だ。
(文=編集部、監修=三木貴弘)