お金が無くて病院に行けない! 無料低額診療事業を利用する生活困難者が急増!?

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急増する無料低額診療事業の実施施設と利用者

 この無料低額診療事業の実施施設数の推移を見ていくと、平成11年度から平成17年度までは251施設から260施設の間をほぼ横ばいで推移している。利用者もほぼ450万人前後で落ち着いていた。しかし18年度には約618万人、19年度約640万人、24年度には遂に700万人にまで増加している。実施施設数も558施設と2倍近い数字となっている。

 生活保護を受給すれば医療扶助があり、医療費の自己負担がなくなる。しかし現実には、運用可能な資産や僅かに貯金があるだけで生活保護は受給できない。生活保護を申請しても受理されないが医療費の自己負担分を払う余裕などないという制度の狭間に落ち込んでいる人たちが大勢いる。自分は患者になりたくても、医療費を払えないために病院に行けないという人々が拡大しているのではないか。

 国民健康保険の滞納率が2012年度の国民健康保険の滞納率は18.1%、東京都では24.1%と5世帯に1世帯が滞納している。若い世代での未加入者も多い。保険料さえ払えない状況で、窓口負担のお金など払えるはずがない。国民皆保険が形骸化しつつある現在、医療のセーフティーネットとして無料低額診療事業はますますその重要性を増している。

 厚生労働省は、生活保護費のうち冬の暖房費などにあてる「冬季加算」や家賃として支払う「住宅扶助」の基準について、引き下げや減額などの方向性を示し、貧困層での生活はますます深刻な事態となっていく。例年より厳しい寒波の到来が予想される今年の冬、生活保護を受給できない狭間の人たちの制度の利用が急増しそうだ。

(文=編集部)

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