【病気の知識】

胞状奇胎

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どんな病気

 胎盤や卵膜を作る絨毛(じゅうもう)細胞が異常に増殖し、子宮内部がブドウの粒のような奇胎でいっぱいになる病気で、水泡状になった絨毛がブドウの房状に見えるため「ブドウ子」と言われたりします。医学的には、絨毛性疾患のひとつです。発症頻度は400〜500人に1人の確率と言われています。

 胞状奇胎は、受胎後すぐに現れることが多く2~4ヶ月頃から症状が現れ、子宮内の奇胎が急速に成長するため通常の妊娠より早くから子宮(お腹)が柔らかく、大きくなるのが特徴です。この病気ではほとんどの場合、胎児は形成されないか妊娠のごく早期に育たなくなってしまいます。

○全胞状奇胎(約70%):子宮内部全体に胞状奇胎があるものをいいます。
○部分胞状奇胎(約30%):子宮の一部に胞状奇胎を認めるものをいいます。

どんな症状

○重いつわり(悪心・嘔吐)
○性器出血(不正出血)
○暗赤色のおりものなど
○妊娠初期から見られるむくみや高血圧など妊娠中毒症のような症状

 切迫流産・子宮腟部びらん・子宮頸管ポリープ・機能性出血と類似しているため、症状がみられたらすぐに医師の診断を受ける必要があります。

どんな診断・検査

○基礎体温:高温が14(±2)日以上続く場合や、不整の場合は疑いがあります。
○超音波断層検査:画像として特有なため、初期の段階での画像診断が可能です。胎児がいなければ全胞状奇胎の疑いがあります。
○尿中HCG値:10万IU/l以上だと、胞状奇胎の可能性が高いです。
○胸部X線検査:肺への転移を診断します。
○CT・MRI検査
○骨盤血管撮影等

 HCG(ヒト絨毛性ゴナトドロピン)は、胎盤が形成されるとき絨毛組織から分泌されるタンパク系のホルモンのことをいい、正常妊娠の場合は、着床後1週間ぐらいでHCG値が50単位で妊娠反応が陽性になります。

どんな治療法

○子宮内容除去手術:この手術は子宮内の奇胎細胞を完全に除去するため、1週間くらいの期間をあけ2~3回に分けて行われます。

○子宮全摘出手術:高齢で挙児希望のない方の場合に行われます。

どんな予防法

 妊娠性疾患のため、妊娠をしないことが最大の予防になります。

○経過観察:胞状奇胎は前絨毛がん状態のため、術後も経過観察が必要になります。
●基礎体温:高温が14(±2)日以上続いたり、不整でないか
●(血中・尿中)HCG値:正常値かどうか
●胸部X線撮影:肺への転移がないか

○通院について
①退院後は2~4週ごとの通院によりHCG値を管理していきます。
②HCG値が正常値まで下がると、2〜3ヶ月おきの通院になります。

 術後5週で1000IU/I以下(1000単位)8週で100IU/I以下(100単位)12週で正常値まで低下していれば経過が順調といえます。

 ただし経過が順調な場合でも、再発防止のため6ヶ月~1年間は避妊が必要になります。また術後に順調なHCG値の低下が見られなかったり、一度低下したHCGが再度増加する場合などは、侵入奇胎(破壊性胞状奇胎)といって奇胎が子宮筋層にまで侵入している疑いや絨毛がんへの推移が疑われます。この場合は、抗がん剤などを用いた化学療法や子宮の摘出が選択されます。現代では、早期発見により高い確率で治癒しますので、医師の指示を守り検査や治療を続けていくことが大切です。

 次の妊娠に関しては、必ず医師の許可が出るまでは避妊を続けて下さい。次の妊娠で、胞状奇胎になる確率は一般の全妊娠者と同じです。一度なったからといって、繰り返しおこるわけではありません。HCG値が順調に下がり、基礎体温の二相性化がみられ、医師の許可が出れば次の妊娠は可能です。

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