≪慢性膵炎とは?≫
膵臓の慢性炎症により、膵臓の細胞が破壊され、膵臓が線維化し、石灰化し、萎縮してしまう状態です。膵臓の消化酵素を分泌する外分泌細胞やインスリンなどのホルモンを分泌する内分泌細胞の減少により、消化障害(脂肪便など)、糖尿病などを併発します。膵液の排出路である膵管の狭窄・閉塞、嚢胞形成などがみられる状態です。
≪慢性膵炎の原因は?≫
アルコールの常用が過半数を占め、以下、原因不明が27%、胆石性が8%とされています。まれには、膵管胆管の先天的奇形、副甲状腺機能亢進症、遺伝性、自己免疫疾患に伴うものなどがあります。
膵管の狭窄、閉塞のため、持続性あるいは反復性の上腹部痛がみられます。背部痛を伴うことも多いとされています。特徴的なのは、天ぷらなどの油分の多い食事や、飲酒後に、腹痛、背部痛が起こることです。その他、食欲不振、悪心・嘔吐、体重減少などもみられることがあります。しかしながら、自覚症状のない無痛性膵炎が約15%に存在するといわれています。また、急性膵炎を反復して急性増悪を繰り返す症例もあります。
採血、採尿により、血液中や尿中のアミラーゼなどの膵酵素の測定を行うだけでは診断には不十分です。慢性膵炎の診断は、膵臓の形態学的変化を検索することにより得られます。
腹部超音波検査や腹部CTなどにより、膵萎縮、主膵管の狭窄・拡張、膵石(膵臓の石灰化で、高度な場合には腹部レントゲン検査でも発見されることがあります)、膵嚢胞などの所見が発見されれば、慢性膵炎と診断されます。内視鏡的逆行性膵管造影により主膵管を映し出して、膵管の狭窄・閉塞が見つかることもあります。
そのほか、慢性膵炎の病状の検索には、消化吸収の状態を検査する方法もあります。また、糖負荷試験により糖尿病の病状を検索することも必要です。
内科的治療法は、食事療法(禁酒、脂肪制限、カロリー制限)と症状に対する治療が主体で、腹痛に対する鎮痙剤の投与、膵酵素阻害剤などの投与を行います。
外科的治療の対象は、慢性膵炎に伴う胆管閉塞で黄疸をきたすような場合、膵管狭窄を手術的に改善することにより症状の改善が期待できる場合、巨大な膵嚢胞による圧迫症状があって手術を必要とするような場合などです。膵頭部といわれるところを切除したり、拡張した膵管と消化管をバイパス手術したり、膵嚢胞と消化管を吻合したり、といったような手術が行われることもあります。
≪慢性膵炎の予後は?≫
一度荒廃した膵臓は元には戻りません。慢性膵炎の経過中には、膵がんを併発したり、糖尿病の悪化により腎不全をきたしたり、心筋梗塞や脳卒中などの重大な合併症をきたすこともあるといわれています。
暴飲暴食を常日頃から避けることです。また、胆石の他、希な原因である膵管胆管の先天的奇形、副甲状腺機能亢進症、自己免疫疾患などに関しては、これらに対して適切な治療を受けることです。
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