幼児、小児によく見られる疾患で、手のひら、足の裏、口の中の発疹と水疱を特徴とします。一般的には、発熱で始まる軽い病気で、ほとんどの人が1週間から10日程度で自然に治ります。合併症もほとんどありませんが、まれに髄膜炎等になり入院が必要となります。
主に夏に幼児を中心として流行しますが、原因はコクサッキーA16など、エンテロウィルスのうちの何種かで一種でないため、何回もかかることがあり、また、大人も時にかかります。感染経路は、経口、接触、飛沫と、そばにいるだけでもうつります。
感染してから3~4日の潜伏期をおいて38℃前後の発熱を数日間伴うことが多いですが、あまり熱の出ないこともあります。口内の発疹は、2~5mm程度の水疱性の発疹は舌頬粘膜と広範囲にでき、痛みのために食べられなくなってしまうこともあります。手・足にも同様の発疹ができますが、かゆみや痛みはほとんどありません。発疹は7~10日で消失します。
他に合併症として下痢することもありますが、軽く済みます。いちばん怖い合併症として髄膜炎、脳炎が稀にあり、発疹の初期2~3日に頭痛、嘔吐を伴う高熱が2日以上続いたら医師に診てもらった方がよいでしょう。
一般的には、手足口の発疹と発熱など症状で診断します。
口が痛くて食べられなくなり、発疹のため脱水傾向となりやすいので、薄味のやわらかい食事をあげて、水分不足にならないようにしてください。発疹には、特別効果のある薬はなく、口内を保護する軟膏程度です。
発熱に対しても、腋を冷やしたりと、風邪のときのように冷やすだけで済むことが多いですが、熱が高ければ対症的に、一時解熱剤を使ってもよいです。発熱に対しては、必要に応じて解熱剤の投与や、首、腋などの冷却をしますが、冷やし過ぎないようにしましょう。38℃程度なら解熱剤は使用しなくてよいです。食欲不振には、水分の多いものをあげて、脱水には注意し、そのために元気がなくなっているようなら医師に診せてください。
幼稚園などでは患児と接触しないことです。また、患児の便に対する注意と手洗いは予防として必要ですが、ワクチンはありません。
登園は患児が発熱・下痢等の主要症状が改善すれば可能としますが、主症状が回復した後も、4週間くらい身体にウィルスが排出されることがあり、他の幼児にうつしてしまうこともあります。この時期に3種混合やポリオ等の予防、接種を行うことが多いのですが、ワクチン接種は主症状が改善してから1カ月以降とします。
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