感染力が強い伝染病で、ほんのすれ違っただけで感染する場合もあります。一般的には水疱瘡(みずぼうそう)として知られている。赤い小さな発疹があらわれ、半日から1日で全身に広がり、発疹はしだいに水疱に変化していきます。軽い場合もあります。水疱には、強いかゆみがあります。皮膚にあらわれる症状が特徴的な伝染病で、水痘ウイルスの感染によって引き起こされます。
飛沫感染(咳やくしゃみの飛沫による)や接触感染(水痘にかかった人がさわったものに触れたとき)、水痘の水泡や成人の帯帯状疱疹(たいじょうほうしん)によって、のどの奥の粘膜や目の結膜から水痘ウイルスが体内に侵入して感染することより、この病気にかかります。
潜伏期はおよそ2週間です。感染しても症状があらわれない不顕性感染は少ないとされていますが、症状が極めて軽い場合には、虫刺されやとびひと間違いやすいことがあるので注意が必要です。季節的には、冬から春にかけてかかる人が多くなりますが、1年中かかる可能性があります。
最初は赤みを帯びて盛り上がった形の小さな丘疹が出現しますが、虫刺されと区別がつきにくいこともあります。まもなくすると、そのなかに水がたまってきて水泡になり、やがてそこが破れて赤くただれたびらん状態になり、最終的にはかさぶたになって治っていきます。丘疹、水泡、びらん、かさぶたが混ざり合っている状態が水ぼうそうの特徴的な所見といえます。
このような皮膚症状とともに、かゆみや発熱を伴うことが多いのですが、伴わないこともあります。また、びらんが口の中にできて、痛みを訴えることもあります。治るまでの期間は程度により個人差もありますが、およそ5日から1週間くらいかかります。成人の場合は、重症化しやすく肺炎や脳炎を起こすこともあるので、注意が必要です。
確定診断はウイルスの分離や血清抗体の判定などによりますが、必要がる場合のみに行われます。実際には周囲の流行状況や、水痘や帯状疱疹にかかった患者との接触がいつ頃あったかという接触歴、病気の経過などを参考にして診断されます。
抗ウイルス薬の内服があります。体内でのウイルスの増殖を抑え、症状の重症化が防げるといわれていますが、その適応はそれぞれの症状や患児の全身状態に応じて判断すべきでしょう。
発熱に対する対症療法としては、安全性の高いアセトアミノフェンを使用しますが、濫用は避けるべきです。一部の解熱剤を投与すると、重篤な合併症を引き起こす可能性もあるため、十分に注意しましょう。
皮膚症状に対しては、外用薬を使いますが、医師に相談することが望ましいでしょう。ひっかいて化膿させて、細菌感染が合併すれば、それに見合った薬が必要となってきます。かゆみが強いときは、必要に応じてかゆみ止め(抗ヒスタミン剤)の内服薬を一緒に使うこともあります。
水痘ワクチンの接種が最も効果的な方法です。体調のよいときに集団生活が始まる前に接種しておくことが望ましいですが、水痘にかかった人との接触が明らかな場合には感染後3日以内の接種により発症の防止が可能とされています。
また、かかった人の対応としては、すべての発疹がかさぶたになるまでは感染の危険性がありますから、集団生活を制限したり、他人との接触を避けるなどの配慮が必要です。
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