食道の上端と下端は、安静時には閉鎖し、物を飲み込んだ時には弛緩する。この食道下端の括約作用がうまく機能しなくなると、酸性の胃内容物が食道内へ逆流するため、下部食道に炎症が起こる。逆流の原因は、胃食道全体の運動機能障害や食道裂孔ヘルニアが考えられる。
胸焼けが一般的な症状だが、酸の口腔内への逆流、げっぷなどの症状が出ることもある。
内視鏡検査によって、下部食道に発赤、びらん、潰瘍が認められれば診断がつく。しかし、酸の逆流により胸焼けなどの症状のある人でも、内視鏡検査でこれらの所見が見つからない場合がある。従って、胸焼けの症状があるだけの人でも、胃食道逆流症として治療が必要だという考えもある。X線検査は、バリウムを飲んで食道を造影する検査。食道裂孔ヘルニアの存在、飲み込んで胃の中にいったん貯まったバリウムの食道への逆流の有無、食道潰瘍の有無などを調べる。
まずは内服薬などによる内科的治療を行う。食道粘膜への攻撃因子を弱める目的で、胃酸分泌を強力に抑える薬を服用する。その他に食道の蠕動(ぜんどう)運動を促進させる薬、食道の粘膜を保護する薬を併用することもある。軽い食道炎であれば、これら薬だけでも効果的なこともある。また、下部食道の括約機能を低下させる食物(高脂肪食、アルコール、カフェイン)を抑える、一度の食事で大量に食べることをやめる、就寝前の飲食を避ける、就寝時に上半身を高くする(たとえば枕を高くしてみる)など日常の生活習慣の改善も必要だ。以上に挙げた治療法を6カ月~12カ月行っても改善が見られなかったり、出血を繰り返したり、潰瘍を繰り返すうちに、瘢痕(はんこん)収縮といって食道が非常に狭くなってしまった場合は、手術の適応となる。
先の内科的治療で挙げた生活習慣の改善が主となる。また、血圧を下げる薬としてカルシウム拮抗剤がよく使われているが、その中の一部に下部食道の括約機能を低下させる作用を持つものがあるので、薬を服用している人は主治医の先生とよく相談したほうがいい。
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