ストレス因(重大な生活上の変化やストレスの大きい生活上の出来事)により引き起こされた情緒面や行動面の症状で、社会的機能と行為が著しく障害されている状態(仕事や日常など普段の生活がうまく行かなくなること)を言います。通常その出来事から1ヶ月以内に発症し、ストレスが終結してから6ヶ月以上持続しないとしていますが、ストレスが長引くと症状も長引きます。「適応障害」とはじめは診断されても、後に「うつ病」などの診断名に変わることがあり、じつは重い精神疾患の前駆状態になっていることがあります。
情緒面(抑うつ、無気力、不安、焦り、緊張、怒りなど)や行動面(やけ食い、やけ酒、無謀な運転、八つ当たりなど)でさまざまな症状が認められます。子どもの「赤ちゃん返り」もその一つでしょう。不安や緊張感が高まると動悸や冷や汗などの身体の症状が見られることがあります。ストレス因から離れると通常症状は改善します。改善しない場合、うつ病などの可能性が出てきます。
問診が中心になります。身体症状があれば、症状に応じて血液検査や心電図検査も行います。
環境調整によりストレス因の除去を試みます。同時に精神療法を通じて、ストレス因に対する適応力を高める工夫をご本人に行っていただきます。情緒面や行動面の症状に対しては、対症療法的に薬物療法を選択することがあります。ただし特効薬はありません。
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