2014.07.01

【病気の知識】脳の病気・頭痛

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自分が頭痛もちだと思っている人は全国で3千万人もいるという統計があります。別の研究では、成人の8.4%の人が片頭痛であるとされています。頭痛は1次性頭痛と2次性頭痛に分けられ、多くの場合は比較的軽い1次性頭痛です。


監修: 西郷和真 近畿大学医学部附属病院講師 神経内科

●どんな病気

 自分が頭痛もちだと思っている人は全国で3千万人もいるという統計があります。いつものことだからと我慢してしまうことが多いと思いますが、すぐに治療が必要な頭痛や、治療によって今迄の頭痛がうそのように治ってしまうものもありますから一度は病院に行って調べてもらうといいでしょう。頭痛は大きく分けて2種類あります。
 1次性頭痛と言って脳自体には病気がなく、脳周囲の筋肉や血管の異常で頭痛が起こるものと、2次性頭痛と言って、脳に病気があって起こるものがあります。2次性頭痛にはくも膜下出血、脳腫瘍、脳出血、髄膜炎などがあります。

 特にくも膜下出血はすぐに命に関わる病気ですからすぐに病院へ行かなければなりません。くも膜下出血の頭痛は突然に起こり、突発性の頭痛です。また今まで経験したことのない、一番痛い頭痛のことが多いとされています。後頭部をハンマーで殴られたような痛みと表現する人もいます。通常、症状が悪化する傾向があります。しかし外来へ歩いてこられる患者さんのうちこのような症候性頭痛の患者さんの頻度は少ないとされていますが、治療が遅れると生命にかかわることが多いので、医療機関への受診は必要です。

 普通の頭痛は殆どが1次性頭痛です。1次性頭痛の中で最も多いものは緊張型頭痛というもので肉体的、精神的ストレスが原因でこめかみの所にある側頭筋や首の頸筋、肩の僧帽筋が緊張して起こるものです。もう一つの1次性頭痛は、片頭痛と群発頭痛があります。
片頭痛の原因はまだよく分かっていませんが、現在有力な説として、血管説、神経説、三叉神経血管説が病態仮設として考えられています。頭痛の起源として、三叉神経終末などの末梢起源説と、脳幹由来とする中枢起源説が提唱されている。片頭痛の発作の病態にはセロトニン、ヒスタミン、グルタミン酸、ドパミン、オレキシンなどの神経ペプチド物質が何らかの原因で作用して頭痛が起こると考えられています。
片頭痛は20-40歳の女性に多く、遺伝的な要因がある場合があります。もう一つの群発頭痛は群発地震のように強い痛みが繰り返し起こるもので20-30代の男性に多いものです。群発頭痛発作は、群発期と呼ばれる発作(数週〜数ヶ月)が定期的に起こり、アルコール、ヒスタミンなどにより誘発される場合もあります。

●どんな症状

 緊張型頭痛の典型的な例では頭にはちまきを締め付けたような痛みが暫く続きます。夕方に起こることが多くそれほど強いものではなく、生活は続けられますが集中力がなくなります。気持ち悪くなる人は多くいますが、嘔吐する人は少ないです。最初はストレスが原因となりますがだんだん習慣性になってきます。精神的なものではその人の許容範囲を越えた人間関係の問題、経済的問題、家族の問題がストレスになります。うつ病の人にも良く見られる頭痛です。肉体的なストレスとしてコンピューターなどで同じ姿勢で仕事を続けることや、眼精疲労、かみ合わせなどの口と顎の問題、副鼻腔炎、首の骨の問題などがあります。枕が高すぎたり、姿勢が悪い場合もあります。日本人の目は瞼が下がっているのでそれを持ち上げるために額の筋肉がいつも緊張して起こると言う説もあります。

 片頭痛は血管性の頭痛ですから心臓の動悸に合った拍動性のズキンズキンとする頭痛です。片方だけのことが多いですが、必ずしもいつも決まった側ではありません。典型的な片頭痛では前兆と言って頭痛が起こる10-60分前に特有な症状が起こります。症状は殆どが目の症状で、一部分が見えなくなったり、閃輝暗点といいキラキラした光が走るものがあります。この症状のあと頭痛が起こり、嘔気や嘔吐を伴うことがあります。稀には一時的に言葉が出なかったり、片麻痺を起こしたりする例もあります。前兆を伴わない片頭痛もあり光や匂い、音に過敏になり、頭痛は片側に偏っています。生理痛もこれと関連していると考えられます。発作は月に1-2回起こる人が多く、数時間から3日間持続します。

 群発頭痛は三叉神経痛(後でふれます)と並んで人類にとって最も激しい痛みと言われています。群発頭痛は1年〜数年に1-2回起こり、数週〜数ヶ月続きます。この間一日に1-2回眼球をえぐられるような耐え難い痛みが15分〜3時間ほど続きます。必ず片側で、同じ側の目の充血、涙が出る、鼻汁が出るなどの自律神経症状を伴うことが多いです。飲酒やたばこを吸う若い男性に多く、緊張から開放された時や、睡眠後1時間半くらい経ってから起こることが多いものです。

 他の1次性頭痛として二日酔い、ホットドックやソーセージに入っている亜硝酸という薬品や中華料理に多く使用されているグルタミン酸ナトリウムによって頭痛が起こることがあります。

 上記の頭痛以外にも国際頭痛分類の中に、顔面痛として分類されている三叉神経痛という病気があります。中年以上の女性に多くちょっとした刺激で顔面や口の中に電撃痛が頻回に走る病気です。虫歯の痛みも三叉神経を通って感じる痛みですから、虫歯の痛みが顔中に起こると考えて下さい。痛みは数秒で消えますが、この痛みのために、歯を磨いたり、髭を剃ったりできなくなります。冷たい風に当たっても痛く感じることもあり、食べる時やしゃべる時も痛いので患者さんは大変困ります。痛みはいつも同じ片側に起こります。

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