コロナ感染の自宅療養 医師が経験したすれすれ事例

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リスクの大きい自宅療養

 肺炎などの症状のある中等症の新型コロナウイルス患者に関し、自宅療養とする、という政府発表に、社会が大きく揺れた。その後、与党内からも批判がでて酸素投与を必要とする中等症患者は入院と、また方針を転換した。政権が、与党が何を決めようが実際に現場では中等症はおろか重症の患者さんさえ、スムーズに入院させてあげることが出来ない。現実と、政策発表との間の乖離にまさに片腹痛しとはこのことである。政治家はまず現場を、と切に言いたい。

PCR陽性、39度の熱、酸素飽和度95%、肺炎疑いでも入院適応なし

 様々な報道で、自宅療養の現実が語られている。実際患者さんの口から、命の危険を感じたという訴えも多くある。ここでは私が、医師として経験したケースをお伝えしたい。

 患者さんは54歳の女性で、元々高血圧症で定期的に通院していた。笑顔の素敵な女性で、お嬢さんのお話をいつも嬉しそうにされていたのが印象に残っている。内服で血圧はとても良好にコントロールされていた。ほかには特段の持病はなく、基礎疾患があるといえばコロナ感染症に関しては基礎疾患に当たるのだろうが、一見して大変お元気に生活されていた。

 7月31日土曜日に37度5分の発熱で来院。採血検査で白血球の低下と単球の増加を認めこの時点でコロナが疑われる状況であったが、週末でありPCRのできる病院がすぐに見つからず、解熱剤を飲んで月曜日に体調を診て連絡するように指示。8月4日水曜日に患者さんから着電。お嬢さんがその後発熱し、PCRをしたところコロナ陽性であったためご本人もPCRを施行したらコロナ陽性であった。今朝あたりから呼吸が苦しくなってきたのでどうしたらよいか、と。発熱39度。酸素飽和度95%。咳が出ており、肺炎の発症が疑われた。保健所からは現時点では入院の適応はないこと、保健所から連絡するまで自宅待機の指示があったということだった。

歯切れの悪い保健所の対応と症状の悪化

 緊急性はないものの肺炎の発症が疑われ、ステロイドの吸入をオンライン診療で処方し、酸素飽和度を継続して測定し93パーセントを下回るようならすぐに報告するようにと指示。翌木曜日、酸素飽和度が89パーセントになってしまった、少し歩いても息が切れる、食事が全くとれないという報告を受け、朝9時にいくつかの病院に入院の依頼電話をした。しかしながら、すべての病院でコロナ陽性が確定している場合は、保健所からの指示でしか入院を受け付けないと言われてしまう。

 すぐに保健所に状況を報告。入院の適応があること、急を要することを伝える。わかりました、入院の手配をしましょうと。その後保健所に再三確認したが、入院先を探しています、の一言で、しかも入院が決まってもクリニックには連絡しませんと通告される。夜19時、患者さんからの状況報告。保健所からようやく電話がかかってきた。今日の時点では入院先の手配ができないので少し待ってください。明日連絡しますと。

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