高齢の父親の息子は異能の才能を持つ「ギーク度」が高い!(depositphotos.com)
あなたが若い男性で、かつ近い将来に「ギーク(Geek)」な息子が欲しいなら、ある程度の年齢まで待つのが賢明かも知れない。
米マウントサイナイ・アイカーン医科大学シーバー自閉症センターのMagdalena Janecka氏らは、高齢の父親の息子の方が若い父親の息子よりもギークになる可能性が高いことを示唆する研究成果を『Translational Psychiatry』6月20日号に發表した。
「ギーク」とは、知的能力や集中力が高く、デジタルテクノロジーなどの特定の分野にマニアックな関心や才能を示すものの、社交は苦手なタイプの人を指すスラングだ。
父親が35歳以上なら男児の「ギーク度」は57%は
発表によれば、Janecka氏らは、英国の双生児を対象とした研究である「双生児初期発達研究」(TEDS)に参加した子ども7781人の12歳時の知能レベル、特定の対象への過剰な関心度、反復行動の頻度、社交性、社会的孤立などの評価データに基づいて、子どもの 「ギーク度」をスコア化した。
その結果、父親が35歳以上なら男児の「ギーク度」のスコアが高まり、男児の57%はギークになる傾向を父親から強く受け継いでいた。また、51歳以上の父親を持つ男児は、25歳未満の父親を持つ男児よりも、理系分野で高得点を取る確率が32%も高かった。
一方、女児のギーク度と父親の年齢との間に有意な関連性は認められず、母親の年齢による影響も見られなかった。
「高齢の父親を持つ息子は学業面でもキャリア面でも有望であることを示した」
Janecka氏は「高齢の父親を持つ息子は、自閉症や統合失調症を発症する可能性が高いとされてきた。だが、今回の研究は高齢の父親を持つ息子は学業面でもキャリア面でも有望であることを示した。高齢の父親の方が若い父親よりもキャリアが確立され、裕福である可能性が高いので、息子は恵まれた環境で成長し、レベルの高い学校に進学できるのかも知れない」と説明する。
さらに、Janecka氏によると、ギーク度の高さと自閉症には共通した遺伝子変異が関与している可能性があり、遺伝子変異は高齢の父親に多くみられる傾向にあるという。
Janecka氏は「このような遺伝子変異を持った子どもは学業で優秀な成績を収める。だが、自閉症と知能指数(IQ)の高さは共通した遺伝子が関与しているとする研究成果が示すように、多くの遺伝子変異に他のリスク因子が加わると、自閉症の原因になるリスクが強まる」と推測する。