「下痢止めに効く」のは常備薬の「正露丸」か携帯薬の「ストッパ」か?(画像はライオンのHPより)
同じ下痢止め剤でも、片や100年以上の歴史を有し、敗戦後までは「征露丸」と勇ましく「彳」が付いていた常備薬の定番といえば「正露丸」(代表格:大幸薬品)――。
片や、テレビ朝日系『アメトーク!』の「OPP(おなかピーピー)芸人」特集がきっかけで即座にサバンナの高橋しげおさんをCM起用し、現代社会対応の即効性を上手に訴求した「ストッパ」(ライオン)――。
もはや、この国に戦争があったことさえも知らない子どもたちに前者の「ラッパのマーク」の意味をいちいち説明するのも難儀だが、そんな子らの親世代でも家のクスリ箱に「正露丸」を常備している確率は決して少なくないだろう。
が、同時に通学用や塾通いのカバンには「ギュルギュルきたら、早めの『ストッパ』」を、突発性の下痢対策用に常時携帯させているかもしれない。
「ストッパ」は「携帯薬」、「正露丸」は「常備薬」
つまり、消費者サイドの目線で両者の違いと使い勝手の善し悪しを判定すれば、「常備薬の正露丸」、「携帯薬のストッパ」という、文字通りの「痛み分け」となるだろう。
面白いのは、それぞれの公式サイトを開くと、目に飛び込んでくる巻頭のコトバが、そんな両者の特性を物語っている点だ。
片や「正露丸は、1日3回服用しましょう!」と最初に謳い、「1回の服用で、症状が改善したから、飲むのを止めていませんか?」と問いただし、「正露丸は1日3回服用することで、腸の運動と機能を正常に戻します」と、百年常備薬の貫禄を示す。
それに遅れること百年後発の下痢止め薬、ストッパは巻頭言で「ストレスやプレッシャー、飲みすぎなどの下痢!」と現代人にありがちなシチュエーションに訴求する。
パッケージ画像には吹き出しで、「①水なし1錠でのめる」「②イヤなニオイが無い」「③眠くならない」「④口の中ですばやく溶ける」「⑤のみやすいグレープフルーツ味」と特性を堂々と掲げる。
最大の売りである①や④は、どこかドヤ顔ふうだし、②も「正露丸特有のアノ臭いへの嫌味か!?」と勘繰れなくもないし、⑤なんかは完全にイマドキ感を吹かせており、大先輩勢である正露丸一派(註:複数社から出ている)にも怯んでない。