「腹上死」は30~40代に多い! 性交中に突然死する仕組みとは?

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興奮行為で心拍数や血圧が上昇! 病気を誘発して突然死

 では、老いてなお性的に満たされている生活は、心身ともに利点ばかりなのだろうか?

 今回の研究が耳目を集めているのはこの点で、Lui氏らはさらに2回の調査回答を「重要な心血管評価指標」と照らし合わせ、次のような健康上のリスクを突きとめた。

 まずは男性の傾向を見ると、5年後も「週1回以上」の高齢現役(絶倫?)組と、「ご無沙汰気味」の実質リタイア組とを比較した場合、心臓発作や心不全、あるいは脳卒中が生じるリスクが、前者は後者の「ほぼ2倍」というデータが得られた。

 それは性交渉に「満足したか/しないか」の個人差に関係なく、「性生活が楽しい」と答えた男性層でも、リタイア組比では心疾患リスクが低い傾向が認められた。

 一方、興味深いのは、高齢女性層に認められた対照的な結果だ。性生活に「極めて満足している」あるいは「満足している」との回答層は、そうでない高齢淑女たちと比較した場合、高血圧リスクは低かったそうだ。

 興奮行為の最中(や事後に)心拍数や血圧が上昇した結果、病気が誘発されて突然死する「腹上死」。米国心臓協会と欧州心臓学評議会が2013年に発表した腹上死に関する「共同声明」によると、その92.6%が男性層を見舞い、大半が不倫相手との性交中とのことだ。

30~40代の中年層に多い「性交死」

 研究陣を代表してLui氏は次のように解説する。

 「性交渉は巷間、健康に良いものだと思われている。それを思えば今回の結果は、われわれにも実に意外な結果でした。一般的に男性は高齢になるにつれ、医学的・心理的理由からオーガズムの達成が困難になるもの。それが過度な努力や消耗、そして心血管ストレスにつながるのではないかと考えられます」

 しかし、元東京都監察医務院長の上野正彦氏によると、「性交死」は高齢層より30~40代の中年層に多く、季節は「春」、場所は「自宅」「ホテル」「愛人宅」の順だという(「性行為と 心血管事故の 発生の関連」2005 Vol.3 No.1 ED Practice 21)。

 最近のネット造語では、過度な自慰行為による突然死を「テクノブレイク」と呼ぶが、上野氏のレポートでも8%の「自慰」の最中の「自死」が認められているという。

 そして、先の米国心臓協会と欧州心臓学評議会による「共同声明」の調査でも指摘されているように、普段と多少異なる環境下(不倫の逢瀬→至福の飲酒→ホテル入り)での精神的興奮による悲劇、これに年齢差大のガンバリが合わされば「ボタバラ死」=「性交死」が降りてくる。

 現在のお相手を脳裏に思い浮かべ、多少なりともこれらの誘発条件が連想されたならば要注意。まだ、口説かれ中であるならば思い切って踵を返すのも一考かも。
(文=編集部)

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