発毛剤・育毛剤・養毛剤はどこがどう違う 賢い選択とは?

この記事のキーワード : 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
発毛剤・育毛剤・養毛剤はどこがどう違う 賢い選択とは?の画像1

発毛剤・育毛剤・養毛剤の区別が良くわからない!

 ドラッグストアにずらりと並ぶヘアケア商品。薄毛対策のコーナーは百花繚乱、様々なケア用品が販売されている。ところで、発毛剤・育毛剤・養毛剤はどこがどう違うのかをご存知だろうか。

 大まかに区別すると発毛剤は疾患や症状を治療する医薬品で、育毛剤は症状を予防する医薬部外品。養毛剤は主に脱毛を抑える成分が含まれる化粧品だ。

 この分類は、商品の有効成分、作用機序、効果の強さなどによって分けられているが、薄毛治療は自分の頭皮の状態に最適な商品を選択する必要があるので、それぞれの違いを知らないまま乱用すると思わぬ副作用に見舞われることもある。

少量の有効成分でも“医薬部外品”と謳う育毛剤も

 もう少し詳しく解説すると、発毛剤は疾患や症状を治療する医薬品で、毛母細胞に直接作用して細胞分裂を促し、脱毛した部位に発毛を促進し、髪が抜けた毛根に新しい毛髪が生えるようサポートする。これに対して育毛剤は症状を予防する医薬部外品で、今ある髪に栄養を与え成長を促しながら毛母細胞の増殖を活発化させ、脱毛を防ぐ。

 また、養毛剤には直接発毛に関係する成分は入っていないが、主に脱毛を抑える成分が含まれる化粧品で、脱毛の抑制や毛髪の保護によって頭皮の健康を守る。

 それぞれの商品の特徴を見ていこう。

●発毛剤
 発毛剤には医療用医薬品と一般用医薬品(OTC薬)があり、病院で処方される代表的な医療用医薬品には、抗アンドロゲン薬のフィナステリドやミノキシジルがある。我々がドラックストアなどで通常購入できる一般用医薬品(OTC薬)は3種類(第一類、第二類、第三類)に分かれている。

 第一類医薬品は、薬効が強く副作用などに特に注意が必要な医薬品。店頭で購入する時は必ず薬剤師の説明を受ける必要がある。日本で唯一、第一類医薬品に分類されている発毛剤は、ミノキシジルを有効成分とする「リアップシリーズ」(大正製薬)だ。

 第二類医薬品も、副作用などの注意が必要なため、薬剤師または講習を受けた登録販売者が対応しなければ買えないが、患者への説明は努力義務だ。代表的な発毛剤に、「カロヤンシリーズ~カロヤンS」(第一三共ヘルスケア)などがある。

 第三類医薬品は、多少副作用などに注意が必要なため、薬剤師または講習を受けた登録販売者が対応するが、患者への説明は特に必要ない。代表的な発毛剤に、「カロヤンプログレシリーズ」「NFカロヤンガッシュ」「NFカロヤンアポジカΣ」(いずれも第一三共ヘルスケア)などがある。

●育毛剤
 育毛剤は、医薬品よりは効果は緩やかで即効性はないが、厚生労働省が許可した成分を含み、何らかの改善や予防効果が期待できる医薬部外品だ。薬機法第2条第2項で「脱毛の防止、育毛又は除毛」に該当する。

 有効成分としてグリチルリチン酸、センブリエキス、ジフェンヒドラミンなどを含む育毛剤が多く、「チャップアップ」(天真堂)などの商品が代表的だ。

 ここで注意したいのは、中には有効成分が少なく、単なる化粧品にもかかわらず医薬部外品と謳っているものがあることだ。このため、医薬部外品と認定された育毛剤では、他の有効成分が少ない商品と一線を画するため「薬用育毛剤」と表示しているものもある。購入時には少し注意が必要だ。

●養毛剤
 養毛剤は乱れた頭皮のコンディションを整えるいくつかの成分が使われている化粧品だ。よく知られているのは植物エキスとペプチドを含む化粧品原料キャピキシル、ミノキシジルと似た分子構造を持つピディオキシジル、カプサイシンなど。例えば格闘家の魔裟斗を広告に起用した「フィンジア」などが有名だが、効果のほどは明らかではない。

バナー1b.jpeg
HIVも予防できる 知っておくべき性感染症の検査と治療&予防法
世界的に増加する性感染症の実態 後編 あおぞらクリニック新橋院内田千秋院長

前編『コロナだけじゃない。世界中で毎年新たに3億7000万人超の性感染症』

毎年世界中で3億7000万人超の感染者があると言われる性感染症。しかも増加の傾向にある。性感染症専門のクリニックとしてその予防、検査、治療に取り組む内田千秋院長にお話を伺った。

nobiletin_amino_plus_bannar_300.jpg
Doctors marche アンダカシー
Doctors marche

あおぞらクリニック新橋院院長。1967年、大阪市…

内田千秋

(医)スターセルアライアンス スタークリニック …

竹島昌栄

ジャーナリスト、一般社団法人日本サプリメント協会…

後藤典子