塩分の摂取基準が厳しくなった理由は? 高血圧対策のプロフェッショナル渡辺尚彦医師に聞く

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血圧を下げるには減塩が最も効果的 shutterstock.com

 今年の4月から塩分の摂取基準が厳しくなったことをご存じだろうか。厚生労働省の『日本人の食事摂取基準2015年版』では、18歳以上の男女は1日の摂取量として、男性が9グラムから8グラム未満、女性が7.5グラムから7グラム未満に、それぞれ削減されたのだ。

 とはいえ、たとえ1日3食自炊していても、われわれ"素人"に日々の摂取塩分量を計測するなど不可能だろう。そこで高血圧など循環器病が専門の渡辺尚彦医師(東京女子医科大学東医療センター内科医)に「誰でも簡単にできる減塩生活」について話を聞いた。ちなみに渡辺医師は、自ら連続携帯型血圧計を身につけ、24時間、365日、血圧を測定し続けて28年という「連続血圧測定の世界記録」を現在も更新中だ。文字通り「体を張って」高血圧対策に取り組んでいる医師なのだ。

気をつけたいのは食材自体に塩分が含まれているケース

----なぜ厚労省は改訂を行ったのですか?
渡辺:実は改定前の男9グラム、女7.5グラムは相当に甘い基準だったんです。今も昔も日本人は米の飯に合う塩辛い「おかず」を好みます。守れない基準値を掲げても意味はありません。とはいえ基準値というものは、高血圧の患者さんでも「数グラムぐらいなら上回っても大丈夫」と自分を甘やかす"根拠"に使われてしまうことも珍しくないんですね。人情としては理解できても、やはり健康管理上は問題です。幸いなことに近年は減塩の必要性が広く知られるようになりました。厚労省は"オーバー分"も勘案し、より厳しい数値にしたのではないでしょうか。

----新基準を遵守すれば高血圧を予防できますか?
渡辺:残念ながら違うんです。新基準でも甘いと言わざるを得ません。高血圧予防のためには1日8グラムが限界です。WHOは1日5グラムを推奨しており、私も自分の患者さんには5グラムを守ってもらっています。

----とはいっても、1日に何グラムの塩分を摂取しているかなど見当も付きません。どうすればいいでしょうか?
渡辺:誰でもできる簡単な判定方法があります。外食をして「美味しい」と思うなら、大体その人は1日に約14グラムの塩分を摂取している可能性が高いでしょう。「ちょっとしょっぱいな」と感じる人なら7グラムぐらいです。気をつけていただきたいのは、何も味つけしなくても、食材自体に塩分が含まれているケースです。たとえば、食パンは6枚切りの1枚で約0.8グラムの塩分が含まれています。男性で朝に2枚食べれば、バターやマーガリンなど何も付けなくとも、それだけで約1.6グラム。新基準の約2割を占めてしまいます。

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